プロパガンダ 8/1

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/4274

長期金利を引き下げるため」に拡大してきたバランスシートを縮小に転じるのである。「長期金利を引き下げるため」から「長期金利を引き上げ」に変更するということである。少なくとも「もう引き下げない」ということだ。
FRBが長期債の購入を減らしていくのだから、需給バランスからしても、米国長期金利は押しあげっていくだろう。これは強烈なドル高円安要因だ。

長期金利はこれから上がると。

FOMC 声明発表直後米長期金利が下落したのは、FRBがそれほど強いコミットを示さなかったゆえに、ビッグショートをしていたヘッジファンドが買戻しをしたせいだといわれている。と言うことは、彼らは、バランスシートの縮小が実際に始まれば米国長期金利がかなり上昇すると思っているということだ。

なるほど。

米国景気は今も、そして今後しばらくの間、非常に強いと私は思っている。株価は史上最高値を更新し続け、不動産価格も堅調、完全雇用である。しかしCPIは低めに推移している。
これはまさに日本のバブル時代(1985年〜1990年)の前半期と全く同じ現象だ。狂乱経済といわれた日本のバブルは不動産と株の高騰で引き起こされた。完全雇用でもあった。しかしCPIは、前半の3年間は0.5%(全国平均)と、現在の日銀の目標の2%よりはるかに低く、CPIを注視していた日銀の引き締めが遅れてしまった。そして経済は狂乱したのだ。

なので(学習している)FRBを金融を引き締めて経済を巡航速度にする。

7月6日付米紙ウォールストリートージャーナルに 「FRB内に広がる資産バブルヘの警戒感」という記事があった。<株式・債券相場がミニバブルの様相を呈しているため、FRBはインフレ指標がこれ以上改善しなくても金融緩和の解消をより意識的に進める可能性がある><アムハースト・ピアポント証券のチーフエコノミスト、スティーブンースタンリー氏は、これだけ資産価格に注目しているのなら、FRBがバランスシート縮小を早期に始める可能性は高いと指摘>との内容だった。

スタンリー氏の言うように、FRBが株式・債券相場のミニバブルを懸念しているなら、BS縮小はそれを抑える意味で最も効果的だ。ドル・円の今後を考える際、FRBのBS縮小は大いなる注目点といえる。

フムフム。