プロパガンダ 6/6

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2013/07/post-192.html

6月3日(月)の日経新聞3面「経済観測」で「素材からみた実体経済」というタイトルで新日鉄住金宗岡正二会長がインタビューに答えていらっしゃる。注目していただきたい部分がある。日本人が為替の議論をするときに忘れてしまう重要なポイントである。

・記者質問「原材料を輸入する鉄鋼産業にとって、円安はプラスだけではありません」

 宗岡氏回答「確かに円安は鉄鉱石などの調達コストを押し上げる負の面がある。一方で国内の輸出産業を元気にするほか、円高時には盛んに流入した輸入鋼材が価格競争を失い、市況下落に歯止めがかかるメリットもある。現に鋼材の輸入量は年明け以降、目に見えて落ち込んでいる。総じていえば、素材産業にとっても円安は追い風だ」

要は「為替とは値段そのものだ」という点だ。円が安くなれば、海外からの輸入品は円貨で高くなり日本製品が競争力を増すと言うことだ。「内需産業にとって円高がいい」などという主張は「輸入品と価格競争をしない鎖国時代」の遺物である。

机上の学問をされている先生方はお分かりもならないかもしれないが企業は1%のコストダウンに骨身を削っている。それが1%円高(約1円)になればその努力はパーだと言うことだ。巷では「円高は輸出産業に不利だ」という議論しかしていないが、円高では「輸入製品を円貨で安く変える」という点で「内需産業にも不利」なのだ。

全くそのとおりと思う。
円高は外国の製品やサービスと競合する国内産業にも影響する、という当たり前なことが理解されていないことが悲しい。

参議院選後、政府が「もういいや」と必死になって行ってきた株価、債券価格維持政策をストップさせた時が怖い。

気をつけなくちゃ。