2008-01-01から1年間の記事一覧

2008年末雑感

1年前の時点で2008年は景気循環の谷になるだろうとは覚悟していましたが、リーマン・ショックで予想以上にやられました。 損していることは脇に置いて... 成熟した先進国ではあえて消費をしなくても生活はできるわけですが、これをやると景気が悪くなり雇用…

日経コラム大機小機より

少し前の一直氏の"「米国衰退」の通説を疑え"は興味深かった。 次の3つが通説となりつつあるように見える。 (1)今回の国際金融危機で米国の時代は終わった (2) 米ドルは基軸通貨としての地位を維持できない (3) 正統派のエコノミストほど円高と見ている こ…

金融危機以前の藤巻シナリオはこうだったのでは

国内で生産(GDP)したモノやサービスは、消費されるか、(今後の生産のために)投資されるか、あるいは純輸出(=輸出-輸入)される。 人々が貯蓄を増やそうと消費を減らすと、減らした分を投資か純輸出を増やさないとGDPが減少し、国内の生産能力よりも実際の生産…

清き一票、以外でも出来ること

矢口新さんの Dealer's WEB が勉強になった。 以下は私の理解での要旨。 日本の経常黒字の累積は300兆円あり外貨資産として保有されている。 300兆円のうち100兆円は外貨準備として政府が保有している。 残り200兆円分の外貨資産(たぶん輸出企業が保有して…

ロシア・ショック

ジム・ロジャーズは中国を評価しロシアに関してはボロクソですが、大前さんによれば、ロシアは (1)親日感情あり、(2)国民の教育水準は高い、(3)ロシア風だけど民主主義、(4)消費意欲高い、だから冷戦時代のステレオタイプの見方をやめて注目したほうがいいん…

プロパガンダ135回が公開された

http://www.fujimaki-japan.com/propa/2008121812509.html 今回ナルホドと思ったポイントは 金融危機と違い実態経済の悪化では世界恐慌などは起こらない。 流動性があると思っていた金融資産の流動性が消えると、売りたくても買い手が付かない、二束三文で買…

FRB 実質ゼロ金利・量的緩和政策

おおーっ。 円上昇で、追い込まれるように日銀も利下げ?

円はしばらくの間上昇するであろう唯一の通貨 by ジム・ロジャーズ

ジム・ロジャーズは最近このようにポジショントークしているようです。 "I've driven around the world looking for a sound currency. There aren't any.... but the yen is the only thing that's going to go up for a while," he added. 「円が暫くの間…

アラン・ブラインダー 2年間は大きな政府に

12月14日日経朝刊、元FRB副議長アラン・ブラインダー氏のインタビューより GDPで2%相当の財政刺激策を提案。09年10年にそれぞれ3000億ドル規模。 雇用創出と不況による痛みの緩和のため。公共事業による雇用機会の提供も欠かせない。 非効率な大きな政府を生…

市場リスク 暴落は必然か 原題 "A Demon of our own Design"

市場リスク 暴落は必然か作者: リチャード・ブックステーバー,遠藤真美出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2008/05/22メディア: 単行本 クリック: 65回この商品を含むブログ (31件) を見るこの本はめちゃくちゃ面白かった。 秋の半ばに買い既に2回も読んだ*1…

Voice+に「藤巻健史の国富論」第4回 登場

http://voiceplus-php.jp/web_serialization/kokufuron/004/index.html 藤巻さんの現時点のファンダメンタルズの見解は、金融システム不安は峠を越した 私は以下に述べる理由から、現下の金融システム不安は峠を越したと判断している。 今回のアメリカを震源…

暴走する資本主義 by ロバート・ライシュ

個人は消費者、投資家、労働者という側面を持つが、グローバリゼーションと生産のイノベーションと規制緩和を通じて、消費者と投資家の立場が強くなり、企業は競争に直面し、企業のコストダウンの努力の結果、労働者の立場が弱くなっている。 グローバリゼー…

S&PのJGBの格付け

「フィアスコ」を読み返してデリバティブではS&P等の格付けが重要?な役割は果たしていたことがわかったが、数年前にJGB(日本国債)の格付けの低さが話題になったことを思いだした。 「フィアスコ」でもイタリアやメキシコも自国通貨建て国債の格付けは高か…

大破局(フィアスコ)

サブプライム問題が引き金になった今回の金融危機ではデリバティブが原因と言われるが、どういうデリバティブがどう悪さしたのか?メディアでは説明がありません。 先物、オプション、金利や通貨のスワップといったシンプルなものは教科書にでているが、そう…

「貯蓄から消費」 へ

11月25日の日経 経済教室にて、クレディ・スイス証券の白川浩道さんが「貯蓄を消費に回し成長の源泉に」と主張していた。 白川さんらの試算によれば、家計部門は過剰貯蓄状態であり、過剰貯蓄額は日本全体で百数十兆円に達し、高所得層がより多く過剰貯蓄し…

強欲資本主義 ウォール街の自爆 雑感 つづき

11/23の続きです。 ファイナンス系の人はしばしば「モノ作り」を賞賛しますが、私にはそれが違和感として感じられてなりません。 神谷氏の主張は、ハイレベルの「モノ作り」こそが日本が進むべき道、米国の双子の赤字と日本のゼロ金利と円安が過剰流動性の原…

強欲資本主義 ウォール街の自爆

ウォール街にはとてつもなく強欲な連中がうじゃうじゃいて法で禁止されていない限り金のためなら何でもやる、手っ取り早くカネを儲けようとする、という話。 強欲資本主義 ウォール街の自爆 (文春新書)作者: 神谷秀樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/…

すべての経済はバブルに通じる

すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)作者: 小幡績出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/08/12メディア: 新書購入: 22人 クリック: 221回この商品を含むブログ (106件) を見るロジカルに読もうとするとわかりづらいと感じた本でしたが、私には次の…

最近の韓国経済

月刊Voice12月号の三橋貴明氏によれば... 韓国は輸出国だが経常赤字*1。 だからウォン安圧力がかかる。 ウォン安は貿易黒字を減らすとのこと。ウォン安は石油価格上昇をもたらすが人件費等が割安になることで輸出に有利になるはずだが...。 日本からの輸入は…

日経 夕刊 十字路 中前氏

今日は中前忠氏 金融機関救済や景気対策のための財政支出によるマネー創出の一段の加速は、インフレではなく、デフレの長期化を推し進めるはずだ。 これがバブル崩壊の日本の失敗の教訓である。 ほんとうかなあ?、この因果関係。

雑誌Voice 12月号雑感

藤巻さん以外にも興味深い寄稿がたくさんあり。 アメリカ経済について 上野泰也 日本経済については一貫した弱気・デフレ見解の上野さんですが、アメリカ経済にいてはそんなに弱気ではないようです。 デカップリング論は間違い。 「世界経済は米国経済にかな…

日経11月15日朝刊 大機小機 グローバル経済回復への道筋

時々ユニークな見解が登場するこのコラム、「厨子」氏の見解は... 今回の金融危機は大恐慌時代の悪夢を思い出させるが、大恐慌が繰り返される可能性は限りなく小さい。今回の金融危機では先進国・新興経済諸国の両方が共に強調して困難を乗り越えようとする…

日経朝刊 経済教室ワイド

藤巻さんが雑誌Voiceにて 識者の誤った知識に基づく分析がマーケットに恐怖感を醸成した。 と書いたせいか、さっそく日経朝刊の経済教室でCDSが取り上げられていた。

藤巻健史の国富論 第3回

http://voiceplus-php.jp/web_serialization/kokufuron/003/index.html 消費税アップは当たり前という話。 財政赤字が巨額すぎて、利払いできるかが問われる状況にある。 長期金利が上昇すればあっという間に利払い困難になる。 上げ潮政策だけでは解決でき…

雑誌 Voice 12月号の藤巻さん

楽観vs.悲観という今月号の企画で、テーマは「金融資本主義」。 全文はこちら、こちらにも。 Voice (ボイス) 2008年 12月号 [雑誌]出版社/メーカー: PHPソフトウェア・グループ発売日: 2008/11/10メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を…

経済危機 雑感

先週後半にひいた風邪を週末にこじらせてしまいボーとしたり寝たりですごしていましたが、土曜日にNHKの解説委員諸氏が今回の経済危機を論ずるTV番組を聞いていました(画面は見ていなかった)。 解説委員の誰かは「今回の危機はレバレッジを使って云々」と…

ザ・ニューリッチ Richstan

貧富の差が拡大しているアメリカの新しい富裕層は全く別の国"Richstan"の住民のようだと気づいた著者が新富裕層を取材して書いた本。 遅ればせながら読んでみたら、結構おもしろかった。ザ・ニューリッチ―アメリカ新富裕層の知られざる実態作者: ロバート・…

10月29日 日経 経済教室 by 深尾光洋氏

私の視点での要約メモ + 私自身のたわごと CDS(Credit Default Swap)は一種の信用保証である。 A社発行の額面1億ドル満期5年の社債を保有するB銀行はA社が信用のおけるC保険からCDSを購入し、毎年C保険に債務保証料として元本の一定割合を支払う。 もしA社が…

「日本の政策対応は単なる景気対策では不十分」

JPモルガン証券10月27日のウィークリー・データウォッチにて、日本の政策対応は単なる景気対策では不十分として次のようにあった。 日本経済の本格回復に必要な政策はこうした短期的な景気対策ではない筈だ。 筆者は、以前から明治維新に準ずるような国の形…

サミュエルソン on 先週の土曜日の朝日新聞

FRBの利下げを織り込んで?、あるいはポジションクローズの反対売買で円が買われて?、金利差が縮小して円高に賭け易くなって?、円が上昇すると→株価が下がります。 藤巻さんのロジックどおりに(しかし嬉しくない方向に)。 やっと藤巻シナリオで長い長い…