Re:不動産

収益還元法で考えてみます。入居者募集集の貸しオフィスビルの場合、
価格 = Σ賃貸料/(1+r)^n, n = 0, 1, 2, ...

景気が良くなれば、事業拡大のためオフィスがより多く必要となり、また売り上げが増えれば多めの賃貸料でもOKとなるので、賃貸料は上昇しそうです。同時に、景気が良くなればお金の需要が増え金利も上昇するので r も大きくなりそうです。結局、どちらの効果が大きいかということになりますが、金利よりも賃貸料の効果が大きいケースが多いのではないでしょうか。

興味深いのは、既に借り手がついているケースです。賃貸料の見直しが例えば5年後の契約更新時とすると、この不動産価格は固定金利の債券と同じように金利上昇で下落すると考えられます。

RIETの場合、賃貸料収入の価値はこのような債券的要素があり、更に借入れしている場合にはインフレで借入れ金利も上昇し株主に帰属するキャッシュフローを減らすように作用するので、インフレ時・金利上昇時には微妙だなあと思います。私には判断しかねます。

インフレはお金の価値が生産手段・資源や労働力に比べ低下するこのなので、インフレ時にはお金で富を保持するよりも手段・資源である株・金など商品・不動産で保持した方が実質の価値を維持できそうです。そう思う人が増えれば名目の不動産価格は上昇するのではないでしょうか。その過程で実質価値も行き過ぎ的に上昇するケースもあるかもしれないと思います。

名目と実質。難しいですね。私はしょっちゅう混乱しています。

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話は変りますが、藤巻さんが実名をあげた数少ないエコノミスト JPモルガン証券菅野雅明氏のウィークリーのレポートはマネックスに口座を持つとWebから読めます。今週は不動産価格の上昇について触れていました。マクロの動きとアセットアロケーションこそ最重要と思う私は参考にしています。