プロパガンダ 8/16

プロパガンダが更新された。
http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2010/08/post-62.html
今回の円高に対する政府・日銀の対応、識者のコメントを見ていると、私は悲しい。

円高が進んでいる。日本にとっては非常に由々しき事態である。この10年以上書き続けているが、政治家や国民の間で為替の重要性が理解されていないのが日本の不幸の始まりである。

バブルのピーク、あんなに日本の経済が狂乱していた時に147円。あれから日本がこんない弱くなったのに86円では日本は外国に、すべての面で太刀打ちできない。モノやサービスはもちろん、賃金だって外国人の方が安くなる。だから日本人は仕事を失う。円高とは日本の労働力、物、サービスの値上げを意味する。景気が悪くなったのにどんどん値上げしてゆけば倒産するのは当たりまえだ。(これまた10年近くいい続けて無視されているが「円安にする方法はいくらでもある」のに)それを試みようとしない政治家を持ったのは日本人の不幸だ。

イノベーションを苦手をする日本の通貨が何故こんなに高くなるのだろうか?。
円が強すぎるから名目賃金の切り下げで経済は均衡に向かおうとするから景気は冷えるし、リスク資産や外貨建て資産よりも円の現金・預金を抱え込むのが(当面は)一番有利だから、いっそうの円高と需要不足もなる。 不況に苦しむ経常黒字国でさらに貯蓄をしたいならば外貨建て資産を購入しなきゃいけないのに、円を抱えようとするから...。


今回のプロパガンダで興味深い箇所はここ。

私は韓国の例をよく引き合いに出してきた。それをまねてか、韓国の例を引き合いに出す人が最近増えてきたが、「原因が違えば結果が違うこと」を踏まえるべきだと思う。

過去に起きた現象ではなく、原因とメカニズムに着目しろということ。

国債市場で暴落が起これば、まず取り付け騒ぎが起きる。郵貯銀行など8割が国債投資をしているのだ。国債価格が急落すれば、(萩原さんは取り付け騒ぎの列には並ばなくとも)私はその列に並ぶ。預金者は自分の金が返ってこなくなることを怖がるからだ。国と言えども、金がなければ銀行預金を保証することも金融システムを守ることもできない。危機が来れば、日銀が紙幣を刷りまくって取り付け騒ぎを収めるしかないと思うのだ。 その結果はハイパーインフレだ。

国債の暴落 → 金融機関のB/Sの悪化 → 金融不安・取り付け → 経済のインフラとしての決済機能を維持しようと日銀が紙幣を刷って融資 → インフレ期待 → 国債価格の更なる下落(長期金利の更なる上昇)→ 政府の財政破綻と共に貨幣の流通速度も加速しインフレが昂進。
藤巻さんの説明はとてもロジカル、こうなって欲しくは無いが。