プロパガンダ 6/5

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2011/06/post-93.html
私には重要なプロパガンダである。
いよいよ、下記のようなことが日経にチラリと出るようになった。

本日(6月5日(日))の日経新聞8面の市場アウトルックの金利欄に
「高値警戒感から、7日の30年債入札は応札が予定額に達しない可能性がある」とサラリと書いてあるが、もしこれが本当になるなら、大変なニュースである。

確かに10年国債の入札の2兆2000億円に対し30年国債の未達は7000億円に過ぎない。しかし30年債の未達がもし生じるならば10年債の未達が、ごくまじかに迫っているということだ。よく「(10年債の)未達の前兆はどんなものがありますか?」と聞かれることがあるが、まさに他の期間の入札未達は予兆の最たるものの一つなのは間違いない。

ということは、「予兆の予兆」が出始めたとことか。
藤巻さんによれば

少なくとも現在の30年国債の利回りレベルは不適切であると判断したことになり、30年国債のマーケットは崩れる。イールドカーブがかなり右上がりになってくるだろう。
30年国債の未達は10年国債の未達がごく身近に迫っている証左と捉えるのが常識的な線である。

とのこと。

年金の財源に手をつけて、一見赤字が少ないように見せても

ただでさえ給付金不足で保有国債の売却を余儀なくされるうえに、2兆5000億円の穴埋めのために、さらに多額の国債の売却を迫られる可能性がある、とのことなのだ。
年金積立金管理運用独立行政法人国債残高の1割を保有している大組織である。そこが買いではなく売りに走るのである。

今年の財政赤字額の44兆円とは、新しい資金需要である。買い替え分(Rollover)の他に、毎年どこかが追加分として新しい資金で44兆円を買わなくては国債は完売出来ない。新しい購入資金がどこかからか湧き出てくるどころか1割を所有する組織が国債を売却する(=資金を吸収する)のである。

家計部門の貯蓄は伸びないならば、企業部門がバランスシートを縮小するなり貯蓄に励まないならば国債を消化できない。景気がすごく悪化すれば消化できるかも知れないが、それが望ましい状況ではないだろう。