プロパガンダ 8/12

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2011/08/post-100.html
避難通貨として円が買われている」というのはヘンという藤巻さんの説明

今回「避難」と言う言葉が出てくるのは「信用リスク」に関してなのだろうが、
そもそも国債で言えば最上級だと格づけされていた米国債が2番目の格付けランクに落ちたからと言って、一時はボツワナ以下と言われた上から4番目の格付けランクにすぎない日本国債にお金が移るわけが無い。
米国債を売って銀行に¥でお金を預けたままでいる(ドル売り円買いをすれば、替わり金の円が日本にある銀行口座におかれる)のなら邦銀をはじめとする銀行の方が米国政府よりも倒産確率が低いと判断したことになるが、まさか、である。
さらには米国株を売って日本株を買うわけがない。
欧州より財政赤字が格段に悪い国、国債の格付けが欧米主要国家に比べはるかに悪い国、欧米より経済実態がはるかに悪い国、その国にお金を移すことは避難とは言わない。リスクテークと言う。それもリターンの極めて低いリスクテークである。

ゆえに

実体であるならともかく、誤解で膨れ上がったモノは大きく破裂する。私がいたるところで申し上げる「今、円に逃げ込むのは豪雨の時に、今にも、崖崩れを起こしそうな崖下の廃家に逃げ込むようなものなの」なのだ。予兆を感じた瞬間に土砂の下に埋まってしまうだろう。

というのが藤巻さんのポジション。
日米金利差が縮小したので投機サイドとしては円高側に賭けやすくなり、実需サイドがその水準で円を買ってくれれば投機家の勝ち,買ってくれなければ負けということでしょうから、実需サイドが円を売るような政策を執れば投機サイドのポジションクローズの円売りを伴いつつこの円高は終わるのでは。
そういう政策とは、例えば

  • 日銀の金融緩和
  • マイナス金利
  • 外国資産に対する減税・非課税

財政赤字ファイナンスする資金について

この法案(特例公債法案)が通過したおかげで、国は借金の為に赤字国債を発行することが出来るようになった。しかし買うだけのお金が買いサイド(民間金融機関)にあるか否かは別問題だ。国債発行枠を上げれば国債を買う資金はふんだんに湧いてくる米国とは事情が違うのだ。いくら「借金をして資金をまかなうことにした」と言っても「誰もお金を貸してくれない」のならば借金は出来ないのだ。それが日本の問題なのだ。

経常収支の縮小とともに国債ファイナンスする国内の資金は縮小する。 デフレが続けば消費・投資は振るわず、円高傾向となりやすいから円の貯蓄が好まれるゆえ、財政赤字ファイナンスが容易にはなるが、累積赤字はpoint of no return水準を越えてしまったのでは...。