日経Web版「円が大暴落すると思うこれだけの理由」

http://www.nikkei.com/money/column/moneyblog.aspx?g=DGXNMSFK0902M_09072012000000
消費税を上げても焼け石に水で、財政破綻は回避困難な状況であり、

  1. 金利上昇時に日銀がprinting money政策をすればハイパーインフレになり、円は暴落する。
  2. 財政破綻すれば、償還や利払いが疑問なJGBを裏付けとする通貨は売られるから、円は暴落する。


藤巻さんの認識は

財政破綻というハードランディングは奇跡でも起こらない限り不可避である。

と、以前と変わらず。

今でこそゼロ金利だからいいようなものの959兆円も借金がたまった以上、金利が上がり始めれば大変なことになる。1%金利が上がれば、すぐにではないものの、いずれは9.56兆円の支払い金利増だ。金利が1%上昇するごとに5%ずつの消費税上げが必要になる。

こういう訳で金利上昇時には増税では追いつけない、と藤巻さんは見ている。

借金というものはいくら「借りるぞ」と宣言しても貸す方に金がなくなればできなくなる。不況で個人金融資産がこの10数年間ほとんど増えていない以上、近々貸す方の金が枯渇する。いずれ未達(国債が入札時に完売できない)が起きると思うのだ。

毎年の赤字が減っていけば貸すほうの金が乏しくなっても借り換えするだけだからOKだが、金が無いのに新たに貸すことはできないからなあ。

予算の半分は借金という状態であるから、満期国債の元本返済を停めても、まだ日々のお金が不足する。すなわち政府機能がシャットダウンするということだ。

しかし、政府活動が停止する訳にはいかないから、さらにそういう場合には信用危機も起きるから、

この事態を回避するには日銀が紙幣を刷るしかない。未達とは民間金融機関が国債を買い切れないことだから売れ残りを日銀が買うのである。輪転機をオーバヒートするくらいに刷りまくり、刷り上がったアツアツの紙幣を政府に渡し、日々の資金繰りに充ててもらうのだ。

そうしてprinting moneyが始まり、典型的なハイパーインフレのパターンにはまり、円は大暴落する。仮に日銀が引き受けを断固拒否すれば、政府は国債の利払いが出来ないから、そんなJGBを裏づけとする円は為替市場で投売りとなり大暴落する。
ハイバーインフレが起きれば政府の債務は実質的に消失する。インフレになれば賃金も上昇するが、ハイパーインフレでは物価や資産価格は日々上昇する。インフレで国民は間接的に政府に貸していた資産を失うことになるのだろう。