プロパガンダ 1/22

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2013/01/post-161.html
フォントが普段より小さくなっている。
でも、読み応え有りだった。

政府・日銀が共同声明を発表したが、本日の報道は問題が多い。NHKの朝7時のニュースでは「円安になるとこんなに物価が上がって大変だ」と長い時間やっているのだ。もちろんすべてがOKの政策などない。「仕事はなくなるが物価は安い」のと「仕事はあるが物価は高い」とどちらを選択するのかという問題だ。

円安でプラスもマイナスもあるのだが、ドル建てでみた日本人の賃金が下がることで(名目賃金の下落を伴うことなく)雇用を確保できるようになることが最大のプラスですね。もちろん、灯油やガソリンやPCやiPhonやiPadやハワイは高くなるけど。

「円安政策」が重要だと気がついた初めての首相と言うことで安倍首相は偉大である。ただ残念ながら10年遅く、ここまで「財政赤字が溜まった」以上、最大の武器「円安政策」を発動しても、日本経済の破綻は早まるだろうと私は言っているのだ。

なぜ、政治・政府・メディアは、これまでまで円安政策に気付かなかったのだろう?

「金融緩和などしても無駄だ」と膨れ面をしていればよかったのだ。それでこそ日銀の権威は守られる。

より肝心なのは、「あの狂乱経済と言われたバブルの最中でさえ消費者物価は2%を超えていない」という点だ。あの狂乱経済でさえ達成されなかった2%を量的緩和で達成するのは難しい。

リスク資産価格が上昇し景気が良くなり巡航速度に移行すべくブレーキをかけるべき時に、政治的リーダーがよくわかっていて日銀総裁に胆力があればCPIが2%未満でも金融引き締めが可能だろうが、過去20年をみればソレを日本で望むのは無理なような...。

そうは言いながら、インフレターゲットの2%はやろうと思えば簡単に達成出来る。大幅円安にすればよいだけだ。ただその方法は、ハイパーインフレのリスクのある金融緩和ではなく、税制やマイナス金利等、他の手段であるべきだったのだ。

金利ではなく為替レートに働きかけて実体経済を動かせ、手段もあるのに...。大胆な金融緩和の裏側に大胆な財政支出があってこれに期待している人々が多いことも承知しているが、財政赤字が更に急速に拡大するのはなあ...。

私にとってマクロ経済とはエコノミストの方のような学問の対象ではないのです。マクロ経済の分析の正しさが収益の多寡を決めたのです。大雑把にいえば、景気が良くなると思う国の株を買い、国債を売って、その国の通貨を買ってきたのです。景気が悪くなると思う国の金融資産に関してはその逆です。正しければ儲かり間違えていれば損をし、大きく損をすれば首になるという仕事を30年近くにわたってしてきたのです。

この10年間、私に言わせると日本のマクロ経済政策は間違いだらけだったと思います。

私はこのバブルの破綻時期の予想を間違えていました。こんなにバブルの皮が厚いとは思わなかったのが私の間違いの原因です。

日本経済の懐は深かった。でも、もう、無いなあ。