12月8日モーニングサテライトの藤巻さん

テーマは長期金利

「ちかじか急騰すると思います」
短期金利は日銀の手の上だが長期金利はマーケットが決める。経済が普通にもどれば長期金利が普通に戻る。
株の上昇が続いたり量的緩和の解除で日銀が債権を売り出すと金利が急騰するきっかけになる。

ど素人のたわごと
日銀の量的緩和解除が話題になっています。さて、量的緩和解除で何がおきるか考えてみました。まず日銀のバランスシート(例えばhttp://www.boj.or.jp/about/05/ac051210.htm)をみると
-- 資産の部 ---
買い入れ手形  42兆円
短期国債     35兆円
長期国債     64兆円
以下省略
-- 負債・資本の部 --
発行銀行券 75兆円
当座預金 31兆円
以下省略
量的緩和解除とは当座預金を銀行間決済に必要な約4兆円まで減らすということで、日銀を負債を27兆円へらすためには日銀の資産を27兆円売ることになります。さて、日銀は何を売るのでしょうか?。短期・長期国債を売ると金利が上昇しそうで政府は嫌がるでしょう。買い入れ手形を売りまくって短期金利が上昇するのも「ゼロ金利をしばらく維持する」という日銀の政策に反するような気がします。
結局、当座預金を減らしつつそのぶん発行銀行券が増えているのでは。マネタリーベースは変わらないのではと思えます。

一方市中銀行のバランスシートの資産の部を考えると、いま日銀当座預金として積みあがっていた部分が現金に化けることになります。日本のさまざまな銀行の本店支店に金庫に27兆円のお札を格納できるだろうか?1億円でジュラルミンケース1個とすると27万個。お札では持ち切れそうもなく、なにか別の資産を買うことになると思います。債権(国債)、株、金、不動産、それとも貸し出し。長期金利上昇がちらつくときに固定金利国債は買いづらく、長期金利上昇・短期金利(調達金利)ゼロが期待できるならば貸し出しで利益が出るので貸し出しが増える、こんな風に思えます。おなじ理由でこれまで国債に化けていたお金も貸し出しがわに回っていくのではないでしょうか。

貸し出しが増えれば乗数効果でマネーサプライがググっと増え、景気は良くなり、リスク資産市場がまず反応し、ついで実体経済がインフレ的になっていく。マネーサプライが2倍になれば価格が2倍(通貨価値が半分に下落)。まず株価指数が2倍になりその後をおって物価も2倍になる。

量的緩和解除がきっかけで銀行は一生懸命貸し出し先開拓を始めるかも知れません。仕方なく借りた企業は「とりあえず株か土地でも買っておくか」。これじゃまるで十数年前のバブルの始まりみたいですね。

藤巻さんの新刊を読んでいるうちに、「量的緩和解除」は重要なポイントかもしれないと思う今日この頃です。