週刊東洋経済 2006.11.4
今週の東洋経済では藤巻さんが「フジマキ流」家元になっていました。ならば、私は通信教育(プロパガンダ、モーニングサテライト、本、雑誌)で「フジマキ流」グローバルマクロ投資をを学ぶ生徒といったところでしょうか。
しっかり考えて資産運用をするか、考えないで運用するかでは、大きな差が出る。その際に、大きな経済の流れをとらえることが何よりも重要。
今日本でバブルのメカニズムが生まれていると見ている。
日銀による過剰流動性 → 土地・株などの資産価格の上昇 → 資産効果(Consumer Confidenceの改善で消費増)や実体経済の改善(企業のB/Sの改善とか借入しやすくなるとか現金を溜め込まなくてもよくなるとか、設備投資する気になるとか)につながり → 再び資産価格上昇
日経平均株価は今後、4万円まで上がり、バブルのときを越す可能性があります。今後といっても、7年程度かけて穏やかにですが....。
注目! 4万円が「7年程度」と妙に具体的な期間となっています。以前は4年ぐらいではヤバくて10年ぐらいということでした。藤巻さんは時間軸の分析を終えたということでしょうか。
バブル崩壊後の十数年間、政府、日銀はともにインフレを作る準備をしてきたようなもの*1。日本人ほど現金を持っている国民はいないが、この金が銀行に預金され、銀行も融資先がないから国債を買ってきた。要するに個人が間接的に膨大な国債を買ってきたようなもの。日銀自身も国債を買ってきた。その結果、日銀券発行量は2.5倍。じゃぶじゃぶの状態。
本来デフレで金利が低下したならば、国内での運用先を失ったお金は海外資産の取得に向かい、これに付随する円売りで円安になることで、輸出が増えたり国内に仕事が戻ることで、国内の生産が増え、デフレから回復する力が作用するはずだが、国内のお金が海外に流れない。そうなると国内の生産(=消費)が縮小していっちゃうので、政府が国債を発行しつつ政府が消費することで生産を維持しているうちに累積財政赤字が膨れ上がっちゃった。最後に政府が国民の代わりに為替介入でドルを買い更に米国債を買い、米金利の引き下げを手伝い、アメリカのリスクテイカーが日本のリスク資産を買い始めて、やっとデフレから反転し始めた。やっと私はこのように整理できるようになりました。いま振り返ればなんだかマヌケに見えますよね。
日本はいま国自身がインフレを望んでいると思います。
「ベキ論」としては、消費税をすぐ上げないといけない。安部政権は高成長路線をとっているので、消費税だけではカバーできない。歳出カットなどの政策が必要。しかしそれは景気の足を引っ張るので、そのマイナスを埋め合わせるマイルドな資産インフレ政策を政府は取るしかない。為替もドル高円安にすべき。
日本は円安でマイルドな資産インフレとなるでしょう。
円安で資産インフレとなるメカニズムは、大雑把にいって
1) 日本のリスク資産がグローバルに見て割安になるため買いが入る
2) 円安で、輸出産業が元気になる、海外から国内に仕事が戻ることで実体経済が元気になる
. 2a) 外貨を稼ぐ輸出企業の株は上昇する
. 2b) 国内に仕事が戻れば内需企業の業績が改善し株は上昇する
. 2c) 生産活動が活発になれば生産要素の土地・建物の需要が増え値上がりする
3) デフレ期には現金が選好されたが1)と2)の効果でデフレから脱すればリスク資産市場にお金が流れ込む
こんなところでしょうか。
いま注意すべき3つの視点
日銀は早めに利上げをしたほうが景気の持続性の上でよい。
北朝鮮問題で政治や市場の反応がわからないので、株や日本国債への運用は当面やめた。理解できないものには投資しない。
藤巻さんがやめたというのは、きっと、日経平均先物のロングと国債先物のショートではないでしょうか。市場がパニックになると流動性が消えレバレッジのかかった勝負は大損を強いられることがあり、それはマクロの方向で勝負する藤巻さんのスタイルではないということでしょう。