朝日新聞 フジマキに聞けスペシャル より

日本は雇用流動性不足

私はシロウト考えで日本にも効率的な労働市場が存在し雇用が流動的になれば日本経済は良くなるだろうと漠然と思っていましたが、藤巻さんの目にも雇用の流動性ボトルネックのようです。

雇用の流動性が無いと、
(1) 今の職場を失うと条件が悪化するゆえ、我慢しせねばならない。
(2) 上司や同僚との人間関係が重要。新しい財やサービスや生み出すことやコストを下げることよりも、人間関係にエネルギーを投じることになる。経済成長は新たな財やサービスをより多く生み出すことなので、内向き人間関係優先は日本経済の足を引っ張るといえましょう。

更に、
(3) 内向き人間関係優先(終身雇用、年功序列もその例といえましょう)の会社では人間関係や政治に長けた人が偉くなるが、その人が必ずしもグローバルな企業間競争を上手に指揮できるわけではなかろう。
ゆえに、藤巻さんは

日本の企業も国際競争にさらされて、変わっていかざるををえない。減点主義ではなく、加点というかプラス主義でないと、仕事の出来る人は集まらない。

とおっしゃる。つまり経済合理性の力で否応なしにそうなるだろうと。
一方、経済合理的というか資本主義的な考え方に対する嫌悪感も強いようです。その理由は
(a) 先が見えないことによる不安感
(b) 自分が不利になることがわかるがゆえの反対
(c) 嫌悪感が商売になるのでやっている
でしょうか。
景気が良い方向に向かいつつあるときは先が見えない不安感が減ずるので構造改革のチャンスです。経済が強くなればハイパーインフレという最悪シナリオから遠ざかっていくかも。一方、ロバート・フェルドマン日本の衰弱―高生産性を取り戻せ によれば「日本人は危機がすぎると忘れちゃう」そうなので、やっぱりダメかも。


私は息苦しいと思いつつ日本の会社にずーっと勤めているので、

外銀に転職したら、意外にみんな仲が良かった。

という世界を昔読んだ下記の本を思い出しつつ想像します。