投資経済7月号の藤巻さん

下記の対談をサバスさんに教えていただきました。
http://www.mihara-atsuo.com/toshi/toshi.pdf
相手が三原淳雄さんということで、4ページながら中身が濃い(私にとって)対談です。
藤巻さんいわく

歳入ををふやすことと歳出をへらすことが必要です。両方やらなければ財政破綻をきたします。しかし、増税と年金の支給額を減らすといった歳出削減策。これらは二つとも日本経済にとって最悪のシナリオです。

以前ならば、「ふーん、最悪なのか、どーしよー」で終わっていましたが最近はなぜ最悪なのか?と自分なりに考えるようになりました。


ここでいう増税財政破綻回避のために国債償還の財源にまわすと仮定すると、
家計部門: 収入からより多くの税金が引かれるから可処分所得がへり消費が減る(貯蓄李がゼロにちかいと消費にダイレクトに影響する)
企業部門: 消費の減退を織り込んで投資を控えちゃいそう。また企業活動の稼ぎのうち政府の取り分が増えるぶん株主の取り分が減るゆえ、株価は下がる。
家計部門: 直接・間接に資産として保有していた国債が現金なる。
結局、増税で集めた金は国債投資家に流れるが投資家の資産残高は変わらず(ポートフォリオは変化する)、増税は消費と投資を減らす。さらに逆資産効果も消費を減らす。
年金の支給額を減らすと、... 年金需給サイドの消費に直結するでしょう。年金を支払うサイドも将来を見越して貯蓄を増やすので消費を減らすでしょう。
増税も年金支給減も、消費を冷え込ませ経済に悪影響しそうです。国内に投資案件が少なくなった経済では消費の減少は景気を直撃しそう...。


一方、税収を国債の利払いに回す場合は、人々の収入の一部 → 税金 → 政府 → 利払い → 人々の収入の一部、と回るのでマクロ的にはインパクトが無い。


税収を (1)利払、(2)更に元本償還にまわすかで経済への影響が大きく異なる .... なるほどねー。勉強になります。


対談での藤巻さんの発言の一部の要約

7〜8年で日経平均4万円が理想。早すぎるとバブルになって終わる。
今の(あまりにも度を越えた)金融緩和でいくと(7〜8年よりも)もう少し早く達成する。
政府と日銀が長期金利を押さえ込んできたぶん暴騰してしまうと思う。 いずれ長期金利はものすごく上昇してしまう。 長期金利の上昇は国も危なくなること意味する。
税収増で財政赤字を無くせない。 財政赤字は未来永劫残ったままになる。 だからインフレにせざるを得ない。 資産インフレしか策として残っていない。


私の疑問 --- なぜ「7〜8年で日経平均4万円」が理想か?
7〜8年で日経平均が2倍強になるとすると平均年10%強の上昇。 経済が順調ならば心地良いCPIのインフレで達成達成可能で、このくらいのインフレならば長期金利は5%とか6%か?。 ベースマネーの増大がインフレとして反映し長期金利が「ものすごく上昇」するまでの時間を稼ぐことが重要なのでしょうか...。 7〜8年あれば単年度の収支をトントンに持ち込み、かつ、債務を固定金利で長期化できるということかなあ...。 ここまで準備できれば政府は適度なインフレ大歓迎だろうなあ。