ユーロを避けた理由

藤巻さんWatcherを続けていると藤巻さんがユーロを避けた理由がわかるような気がします。 もっとも、単に私の妄想に過ぎないかも知れませんが...。
藤巻さんは新刊(マネーはこう動く―知識ゼロでわかる実践・経済学)の付録でユーロを買わなかった理由を(残念という言葉とともに)さらっと述べています。
記憶があいまいですが、藤巻さんはロンドン時代にさまざまな金融商品の目論見書を取り寄せそれらの複雑な仕組みを解明し楽しんでいたが、ある時、複雑な仕組みを構成する要素のうちの一つの流動性が消えた場合どうなるかに気づき(買い手が消え価格は暴落)、流動性の重要性に気づいた、と以前の本にあったように思います。
そして、私の理解の限りでは、藤巻さんの基本戦略は、将来のマクロ経済と(まだそれを織り込んでいない)今のマーケットとのズレが解消する方向に賭ける、というものだと思います。 この裁定取引に対するノイズのひとつが政治的イベント。 藤巻さんは政治的イベントの予測を使わない主義?らしく、取引がノイズに振り回されるのを嫌う。 レバレッジをかけた勝負でノイズが大きいとポジションが吹き飛ぶ確率が増えるからでしょうか。
ユーロの場合、金利は国境を越えて共通だが、人の移住には制約があり、国境を越えた財政政策は不可能なので、いずれ政治的軋轢が増える。マクロ経済に影響を与える政治要因が増えるとマクロ経済の予測も(経済合理性からはずれがちで)より困難になり、ノイズも増える。 そうなるとユーロはまるでデリバティブを複雑に組み合わせた金融商品みたいになるため、シンプルな勝負を好む藤巻さんには向いてなかったのだろうなあ、と私は勝手に想像しています。


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