新帝国主義論 by 武者陵司
かつて日本株に超弱気で、今は強気、そしてドルに非常に悲観的なトーンの日本にて米国経済強気論のドイツ証券の武者陵司さんの本に、クルーグマン、ジム・ロジャーズ、それに藤巻さんが引用され登場することに興味を引かれ、借りて読みました。
- 作者: 武者陵司
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
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感想を一言で言えば、「わかりずらい本だなあ」。
内容を非常に乱暴に要約すると、フラット化する世界 [増補改訂版] (上) *1のマクロ経済現象版といったところで、中国やインド等の国々とアメリカが経済的につながることで、米国経済は中国やインド等の人件費を利用するという「裁定」機会を得たので絶好調だ、という話(と理解しました)。
武者さんは「既製の経済学は通用しなくなった」と本で断言する。これは、経済学の多くの理論は均衡をベースに組み立ててあり、裁定機会があるような不均衡状態では均衡ベースの理論をそのまま当てはめるのはちょっと危険*2。でも、全部の理論がダメな訳ではないのだから、この理論はOK、これはNG、と説明してくれればいいのに!。 そうはいっても証券会社のエコノミスト・ストラテジストが懇切丁寧に理論を解説しては自分の仕事(レポートを書いて顧客の機関投資家のサラリーマンファンドマネージャに提供し取引を引っ張ってくる)がなくなってしまう、大学教授じゃないんだから、ということかも。
昔だったら「既存の経済学は通用しない」と断言されるとびびって本の内容を盲信したかもしれませんが、最近の私はへそ曲がりです。 そのうちBook Offで半値ぐらいで手に入れたら丁寧にチェックしてみたい。(← 気にかかっているので、でも今は時間がとれない)。