藤巻プロパガンダが新しくなっていた

http://www.fujimaki-japan.com/propa/200828142241.html


日本のアナリストやマスコミは相変わらずで株の先物を売っている人たちは激しくプロパガンダしているが、実際にお金を張っている投資家の考えは金融株を見ればわかる、とのこと。
なぜ、米金融株の動きが重要なのか? 藤巻さんのクイズを私なりに考えてみた。
合理的市場仮説を信じるならば、株価はその会社の未来の期待キャッシュフローを反映する。 米金融株が上昇するということは、市場は金融機関の利益が増加すると見ていることを意味する。 ちょっと乱暴かも知れないが

  • 銀行の利益 = 金利差 × 貸出 − 固定費

とすれば、市場は金利差の拡大か貸出の増加を期待しているといえる。
マクロ経済に関係するのは貸し出し。 マネーサプライに直結している。 アメリカのイールドカーブや信用の金利差の今後の予測は私には無理ですが藤巻さんには得意分野でしょうから何か見通しがあり、マーケットの貸し出しに対する期待(予測)はマーケットのマネーサプライに対する期待(予測)であり、それは景気に対する期待(予測)が反映されている。 ... こういう意味なのかなーと推測。 これを鵜呑みにしないで下さいね。


日本株が売られていることについて藤巻さんは

「マーケットの仕組みが問題を抱えている」ということはあるかもしれない。個別株のオプションがないなどマーケットに厚みがなく、マーケットの見方が一方通行になる結果、マーケットの動き自身も一方通行になるのである。マーケットが立ち直るときは逆に急速に株価が上昇すると考える。

株価指数デリバティブがあるものの、個別株にはオプションが無いからヘッジファンドがその銘柄を割安と見てもコールオプション買えない、だから逆張りで大勝負するプレーヤーが参入しにくいので一方に偏るという意味でしょう。 コールオプションが買われるとオプションの売り手はヘッジのために現物株を買うことになるので、買い手の小額の資金で大量の現物株買いを誘起する。
市場の重要な役割のひとつは、価値を正しく価格に反映すること。 そのためには投機家が必要で、特にすごーく賢い人が参加していなきゃいけない、こういう考えの政府高官もいらっしゃるが、投機家と市場とマクロ経済とには興味深く不思議な関係でつながっている。


米国経済の状況を藤巻さんはどうモニタしているのか長年謎でした。 日本の多くのアナリストたちとは異なる見解は何処から来るのだろうか?と。
今回判明、藤巻さんはこんなデータまで調べていたんですね、ウスイさんが「オタク」と評した訳がわかります。 グリーンスパンFRB議長と似ていますね。

個別の経済データに頼って景気の方向を判断するのは正しくないことは十分承知しているが、私が情報を取っているハワイのホテルの空室率は1年前に比べて悪くない。平均の宿泊料は上がっているのにもかかわらず、である。また、2008年の第1四半期の収入は2007年の第1四半期より上昇するだろうとの予想である。サブプライムローン問題が起きる2007年第1四半期より良いというのである。少なくともこれらのデータを見る限り、日本で論じられている米国経済失速論を私は信じることはできない。減速は失速とは異なる。景気過熱からインフレの心配がなくなるレベルへの減速は株と経済のゴールデンシナリオだ。

経済がそんなに先行き悪化しそうならば人々は当然それを予測して(合理的期待)不要不急なレジャー支出を控え、ビジネスよりも観光の地ハワイのホテルホテルは空きが出て値段も下がるはず。 そうじゃないならば、人々は節約しまくらなきゃいけないほど景気は悪化しないと見ている、こう結論付けられる。
こういう発想は私にもできそうなのでぜひ真似して応用したい。


2月20日に新刊 「マネーはこう掴む」 (光文社) が出るそうです。 内容は

デリバティブを非常に簡単に解説した本です。私がモルガン時代にどうやって儲けていたかを書いた本でもあります。最終章では、私が今のマーケットをどうみるかも解説(筆者注・負け惜しみと振り仮名をフル)致しました。

とのこと。 楽しみです。 特に解説の部分。


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