少し前の日経,十字路 「日本株は本当に割安か」 by 菅野雅明

個人的要約
日本株のPERは低下し米国並みになり、日本株の割高感が消えた。 しかし、昨年後半に日本株を大量売り越した外国人投資家が買い戻す気配はない。
将来の企業収益あるいはマクロ経済に悲観的な見方が多い場合、PERが十分に下落するまで株価は下がる。 昨年夏は日本の改革路線が大きく後退し始めた時期であり、外国人投資家が日本経済の将来に失望したのが日本株大幅下落の背景。
一方、日本人投資家にとっては日本株が長期債投資との比較において割安になった。 (←(たわごと)債券と比較して株が割安というのは株に非常に悲観的) 何故日本人投資家が日本株を買わないのか?、日本人が日本の将来に希望を見出せないからだ。 日本人が買わないのに外国人に期待するのが無理だ。
家計部門の貯蓄が国債経由で政府に流れているが、資金をより生産性の高い民間部門で生かせないのは悲劇である。 政府は「グローバリゼーションに軸足を置いた国内諸制度の改革」を進める事が国内の貯蓄を有効利用する最善の政策であることを理解すべき。


生産したモノやサービスを消費するか生産のための手段にまわす(投資)か海外に売るかして使い切らないと、生産能力が余ってしまう。 これが不況であり、不況がひどくなりすぎないよう政府が投資したり無駄使いして(その対価としてお金をはらい)、民間に渡ったお金を国債と交換して回収して投資や無駄使いの原資としてきたわけだが、政府よりも民間のほうがお金を賢く使うハズなのにそれができないのは「悲劇」といつも冷静な表現の菅野さんが言う。 せっかく家計部門が貯蓄しようとしているのにそれを将来の豊かな生活につなげられないのならば、今の生活で消費を我慢して将来の生活でも豊かな生活ができない --- 厚生と高めることを目的とする経済学の視点からは「悲劇」だろうなあ。

ところで婉曲な表現「グローバリゼーションに軸足を置いた国内諸制度の改革」とは何を意味するのだろうか。