目からウロコの投資術 5/14 逆張り分析術5

「円安は 輸出-輸入 の経路で景気(GDP)に寄与する」、というのがエコノミストの解説ですが、為替レートはもっと広範にマクロ経済に作用する、という話です。
グローバル経済では、モノ・サービス・労働力の値段は「その国の通貨での値段」と「為替レート」で決まる
従って、円高は日本のモノ・サービス・労働力が高くなることであり、日本のモノ・サービス・労働力が売れなくなる。 日本の需要が海外のモノ・サービス・労働力を求める。
例えば、円高になれば国内の農業が競争力を失い*1、熱海の温泉はグアムのホテルに客をもっていかれ、工場は海外に移ってしまう。 こうして「売れなく」なることで収入が減るとか将来の収入の見通しが暗くなると、消費や投資が減少し景気は悪化する(経済が成長しない)。
日本企業は海外展開しているが、海外の従業員に給料を支払い外国人の株主に配当を支払うから、日本企業の業績と、日本人の収入や個人消費とが一致するわけではない
こういうわけで、円高が日本経済に打撃を与える。- - - シンプルで明快な説明と思います。

論壇には「円高で日本経済復活」説もありますが、マーケット(外国人投資家)は「円高で日本経済沈没」説のようです。

*1:最近の穀物価格高騰+円安になれば日本の農業はチャンスではないか?