金融緩和は経済を活性化させるのか

2〜3日前の日経のコラム十字路に「金融緩和は経済を活性化させるのか」という小文があった。そこでは

経済が浮上しないからといって金融の量的緩和を推し進めるのは間違っている。

金融緩和が、少なくとも新たな重要を生み出さないことはもはや経験済みだ。

望まれるのは長期金利の上昇である。それによって、銀行のマージンを改善し、貸し出しリスクのとれる条件を作り出す。 一方で、年金や生保の運用リターンを引き上げる。

と主張されている。 確かに、長期金利が上昇すれば長短金利差が拡大するから銀行は儲かるし、貸し出ししやすくなるだろう。
しかし、短期金利は日銀がコントロールできるとしても長期金利は市場が決める。 そして、長期金利が上昇する状況というのは

  • 期待インフレ率の上昇(デフレ期待の消滅)
  • 長期の資金需要の増大
  • 長期の資金供給の減少(貯蓄率の低下)

ということだろう。問題は、流動性の罠の状況下では量的緩和の景気刺激効果が僅かだったとしても「量的緩和をやめれば長期金利が上昇する、イールドカーブがスティープになる」という因果関係が「?」なことではないだろうか。3つのいずれにも働きかけるとは思えないのだ...。