プロパガンダ 10/3

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2010/10/post-69.html
今回は日銀の金融緩和の効果を藤巻さんがどう見ているかががわかる興味深いプロパガンダだった。

準備預金の必要額は、私が現役のころは4兆円、ゆうちょ銀行が加わった後は6兆円と記憶している。それを、もうすでに30兆円という巨額に増やしてある。それでも何も起きていない。それを40兆円や50兆円にしたところで何の変化があるというのだろう?数年前に60兆円に増やした時も何の効果も出なかったし、先日20兆円から30兆円にしても何ら変化が起きなかったのだ。
今となっては、日銀が景気に影響を与えられる唯一の政策は、私が10年前から主張している(そして10年間、馬鹿にされ続けた)マイナス金利の導入である。 今の日銀にそれをやらせる勇気は政府にも国民にも無いであろう。

日銀が金融緩和を強引に推し進めればいずれデフレ期待がインフレ期待に転ずることでデフレから脱却できる、ハズではあるが、藤巻さんの見解は

  • 人々は日銀のバランスシートなんか見ていないから、ゼロ金利状態での金融緩和で期待はそんなに簡単には変わらない。
  • 日銀のバランスシートを注目している人がいたとしても、円高では実体経済の悪化が予想され、借り入れでリスク資産を購入ても儲からない(損をする)ので、借り手が居ない。したがってマネーサプライも増加しない。

といったところでしょうか。


「為替レートを動かすのは困難」という識者に対し、藤巻さんは「動かせる」。「ヘッジファンドのオーナーの心理とか行動パターン」を利用すればいいとのこと。

方法は、ゆうちょ銀行やかんぽ生命の民営化等で、「小さな政府」を作ることが基本である。

こうなれば、政府が無理してお金を集める必要が無くなる → 国内での貯蓄先が無くなったおカネは海外に流れざるを得ない。 ヘッジファンドのオーナーたちはこのシナリオを頭に浮かべ、円売り・リスク資産買いを始める。 円安とリスク資産高が始まれば、日本人のおカネは海外や株式・不動産に流れる。これにより更に円安・リスク資産インフレが進むことでこのトレンドが明確になり、円安を資産効果の経路で景気は回復する。 こういうことと理解しました。