[藤巻さん]ロイターのオピニオンの藤巻さん

http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPTYE85000M20120601

私は、自他ともに認めるマーケットパーソン(市場人間)である。したがって、今から語る内容は、理論家としてではなく、実務家として培った知識や経験に基づく見解であると理解していただきたい。
<世界はまだ真の変動相場制に移行していない>
まず私の率直な問題意識を伝えれば、現在の世界の為替市場は根本的な問題を抱えており、極めて危うい状態にある。
なぜ危ういかと言えば、変動相場制が採用されていないか、もしくは機能していない国や地域が多く、為替レベルと実体経済との乖離(かいり)が発生しがちだからだ。乖離すればするほど、そのギャップというか、「おでき」は膨らみ、それが破裂したとき、マーケットや世界経済に走る衝撃のスケールも増大する。

というわけで、3大「おでき」は

  • ユーロ、経済運営がうまくいくはずがないのは自明の理なのに、欧州諸国は「壮大な実験」という名のもとに、失敗のリスクが高い大冒険に乗り出してしまった。
  • 中国、人民元の水準は、今や実体経済に対してあまりに安すぎる。固定相場制維持のための資本移動規制にも限界がある。
  • 日本、変動相場制を採用しているようで、実はそれが機能していない国もある。日本はその典型例だ。

「ユーロは10年持たない」と年数を出してユーロ悲観論が出てきたところと、「仮に中国のおできが破裂して」と「仮」がついているが中国のおできの破裂の言及があったことが、従来との変化か。
円とJGBについては従来と同じ。ドルについても

なお、最後に補足すれば、私は20年後もドルは世界の基軸通貨であり続けると考えている。輪転機を回すだけで世界の富を買えるという特別の立場を米国が手放すはずがない。

ドルだけが弱くなる特別の理由はないのだ。ドル基軸通貨体制の崩壊論を説くよりも、むしろ多くの通貨が弱くなる、つまり世界的なインフレの足音が近づいていると捉えるべきなのではないだろうか。

と従来と同じ。