日経電子版カリスマの直言の藤巻さん

http://www.nikkei.com/money/column/moneyblog.aspx?g=DGXNMSFK25012_25092012000000

日本経済が低迷から抜け出せないのはひとえに円高のせいだ。鎖国経済ならいざしらず、グローバル経済での円高は円で売るモノやサービス、労働力の値上げを意味する。商売で不況の時に大幅値上げをしたら売り上げは激減し、倒産の憂き目にあう。国でも同じことだ。

グローバルな裁定圧力が働くから、名目賃金・物価・リスク資産価格の低下が起きて均衡へ向かう。問題は、名目賃金が下落するときに消費が増えるだろうか、リスク資産価格が下落するときに投資が進むだろうか、イノベーションを起こそうとする人達に出口が期待できないのに投資する人がいるだろうか?
投資・消費が縮小するとますます経済が縮小するので、そうならないよう政府が貯蓄を吸収した結果、巨額な財政赤字が積み上がった。


もう何をやってもダメ、というわけで昔の提言の紹介として「マイナス金利」の話となったのだろうか。

個人が円預金をしたら5%の保管料を払わされるとする。銀行にとっては預金を預かれば収益が生まれるのだ。ただし、これだけだと銀行は預金を預かるだけで貸し出しを行うモチベーションがない。金融機能が働かないのだ。そこで民間銀行が預ける日銀の当座預金にペナルティーをかける。マイナス3%としよう(注:分かりにくいかもしれないが、民間金融機関は預かった預金を現金で保有するわけではない。運用しないのなら日銀の当座預金に置くしか選択肢はない)。
これだと民間銀行は預金者からは5%をもらっても日銀に3%にとられるので2%しか利益があがらない。それでは、と資金の借り手に1%の金利をあげるから、お金を借りてちょうだいよ、という話になる。これなら預金者から5%金利をもらい。お金を借りてくれた人に1%を払うだけだから4%の利益があがるのだ。これでマイナス金利の世界が完結する。

金利を下げれば経済は活性化する』という本来の経済学にも合致する。

ドル預金をすれば金利をもらえる一方、円預金をすれば金利を払わなければならない。それならば預金者はドル預金に殺到する。円安を通じて日本の国際競争力は大回復だ」――。

残念ですね。マイナス金利政策を使えば今頃普通の金利になっていたかもしれないのに。