日経電子版 1/31

http://www.nikkei.com/money/column/moneyblog.aspx?g=DGXNMSFK28038_28012013000000

私はすでに円高局面は終わっており、中長期トレンドとして大幅円安の時代に入ったと思っている。

その理由は

第1の理由は、実体経済に比べ円はなお強すぎ、さらなるレベル修正が続くと思うからだ。20年間にわたり国内総生産(GDP)が全く伸びなかった国なのに、国力の通信簿であるはずの通貨が強いままであり続けるとは考えにくい。

... ジワジワと生活水準が低下しつつある経済の通貨が強いなんて絶対にヘン。

第2の理由は、日米経済格差の存在だ。(中略) 「株価の勢い」の差は「国力の勢い」の差でもある。さらには、株価には「景気の将来予想」以上のものがある。資産効果によって実体経済を持ち上げたり、押し下げたりするからだ。(中略) 少し極端な言い方をすれば、米国は国際収支と財政収支が「双子の黒字」になる可能性もあるということだ。少なくとも双子の赤字の深刻化は考えづらい。

... 藤巻さんはシェールガス革命が長期的に米国の経常収支と財政赤字縮小に寄与すると見ている。

第3の、そして最大の理由は日本の巨大累積赤字の存在だ。私は、近く財政破綻が起きると思っている。

財政赤字が膨らんだ背景と限界は

バブル崩壊以降、国が毎年数十兆円もの借金ができたのは景気が悪く、金融機関の融資が減り続けたからだ。金融機関は融資が返済されたお金で国債を購入してきた。

景気回復で企業に資金需要が出てきたり、長期金利の上昇で支払金利が増え国債発行額が増加したりすれば、金融機関は国債購入に振り向けるお金がなくなってしまう。(中略) 国民が盛んに円を売って外貨資産を買っても同じだ。

ここまで借金総額が大きいと、たとえプライマリーバランスが黒字化しようと支払金利だけで借金総額は増え続ける。それもグイグイと、だ。

「お前はもう死んでいる」状態だと藤巻さんは言う。
特に今回の興味深い点は藤巻さんがハイパーインフレになると考える理由で、

円が3分の1になるから需要も3倍になるわけではない。1000倍、1万倍の需要になる。1の供給に対して1000の需要があればインフレ到来は間違いない。それを受け円はさらに下落、インフレはさらに加速するという悪循環になる。

円が大幅に安くなれば土地・設備・労働力といったリソースの需要が急激に増え、それらの価格が急激に上がることでインフレマインドとなることで貨幣の流通速度が増大しインフレが一層進む、というロジックと理解。
「お前はもう死んでいる」状態にもかかわらず、

私の長年の主張である「外貨建て商品への投資に対する税制変更」「マイナス金利導入」「日銀の外貨資産購入」「ドル建て日本国債の発行」など、円安誘導のための強力な方法はいくらでもある。

と「劇薬」について藤巻さんがふれるのはJGBバブルを更に大きくしてから破裂するより少しでも早めに破裂したほうがマシということか?。