プロパガンダ 6/8

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2013/06/honnbunn.html
金曜日夜のシカゴの日経225先物がすーっと上昇したから週明けは株価は上昇するかなーと思っていたところ

週初の株式市場は、それなりに強いだろう。しかし、心配なのは債券市場だ。債券市場が崩れると、又、株式市場が大崩れしかねない。5月23日の二の舞だ。「国に1000兆円もの累積赤字が溜まった状況でのインフレ政策」は無理なのだ。どこかの市場にゆがみが出てしまう。

公的年金ポートフォリオの配分を見直すそうで、株価にはプラスだが国債の売り圧力は増えるだろうなあと思っていたところ、

週前半の債券市場が心配な理由は以下の通り。
1. 5月23日に2%を超えてきた米国長期金利が、再度上昇をはじめ、金曜日は0.095%上昇の2.172%になっている。米国は金融緩和の出口探しを模索している段階で、いつ長期金利が上がるかが問題で、トレンドとして下がる地合いでは全くない。
2. 一時的な円高局面の終了、かつ米国株の上昇で、少なくとも週初は、日本株が回復するであろう点。これは当然債券市場には悪いニュースである。
3. 公的年金が株運用を拡大する(+1.1兆円)一方、国内債券の運用を7.8兆円も減らすニュースが土曜日の新聞紙上をにぎわした。1998年12月の資金運用部ショックを連想させる。あの時は、1か月で長期金利が0.6%から2.4%に跳ね上がった。公的機関の債券購入の減額は心理的にも物理的にも多大な影響がある。よく「国債保有している金融機関が売らなければ債券市場は崩れない」とおっしゃる識者がいるが、違う。国は毎年40数兆円の赤字なのだ(今年度予算では45兆円の赤字)。毎年45兆円ずつ誰かが国債を「買い増し」てくれないと崩れるのだ。それなのに「公的機関が多額に売るのだから大変なことになる」と言うのが運用部ショックの教訓である。
4. いい金利上昇は1000兆円もの借金があるがゆえに悪い金利上昇を連想させる。こうなると金利の上昇は急激である。1998年のロシアでは60~80%まで跳ね上がった。

と、ロジカルにプロパガンダ。そして、カードを使ってしまったと指摘。

午前中の株の大幅下落を見て、政府が「連日の下げで、これでは株式市場が持たない。すなわちアベノミクスもこれでおしまいになってしまう」と焦り、残り少ない最終兵器をやむを得ず使ってきた、というのが私の感想だ。

そして大きな副作用が、債券市場を防衛する手段がこれでまた一つ、消え去った、ということだ。国内債券の運用を7.8兆円も減らすのだ。あっちのマーケットを支え、こっちのマーケットも支えるなど出来ない相談なのだ。

ECBのマイナス金利のニュースに関してプロパガンダでも何か触れられるだろうと思っていたら

どうしても金融政策に頼りたかったのなら「量的緩和」ではなく「マイナス金利政策」を採用すべきだった。これは私の20年近くの私の主張で、馬鹿にされ続けた主張だ。

「マイナス金利『準備整う』 ドラキ総裁、企業へ融資、銀行に促す」という記事が出ている「ユーロ圏の景気回復を後押しするため、民間銀行の欧州中央銀行(ECB)に預け入れる資金にマイナス金利を課すという奇策が現実味を帯びている」そうだ。私の頭がおかしいのなら、ドラキ総裁も頭がおかしいことになる。

日本のエスタブリッシュメントってどうして自分の頭で考えることが出来ないのだろか、空気を読みつつ自分の立場が有利か不利かという判断しかできないのだろうか?
経済政策はこうだし、原子力政策はああだったし、第2次世界大戦の戦争のしかたも似たり寄ったり。文化的な要因に深く根ざしているとすれば、JGBが高騰したあとも同じ失敗を繰り返すような...。