プロパガンダ 2/8

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2015/02/post-268.html

量的緩和という言葉のせいか、識者やマスコミは、この政策を『世の中に資金を潤沢に供給する』目的としか理解していないようだ。しかし実際は、政府の財布が空っぽになるのを防ぐための政策なのだ。あらゆる機関がいま、国債を売り越しており、国債保有を増やしている機関は日銀以外に無い。日銀が手を引けば国の財布の半分近くは空になってしまう。それゆえに「異次元金融緩和の即時停止」はうかつにはできないのだ。

識者やマスコミの多くはわかっていないようであり、わかっている人も空気を読んで言葉を濁しているように見える...。

私はマイナス金利政策論者だが、日銀にある民間銀行の当座預金の『残高極小化』を図るマイナス金利政策と、『残高極大化』を図る量的緩和政策とは180度異なる政策だ。一度、量的緩和政策を始めてしまった以上、日銀は軌道修正は不可能なのだ。出口がないからだ。だから私はハイパーインフレを怖がっている。

出口が無いことを識者やマスコミの多くはわかっていないし、わかっている人も口をつぐんでいる。ジム・ロジャーズはポジショントークし始めた。

「円安が進み、制御できなくなり長期金利上昇――>ハイパーインフレ」の道筋の可能性が高いかな?と思っていたが、「長期金利上昇――>円安――>ハイパーインフレ」の道筋もありうるかな?と先週の10年物国債の入札結果を見て思うようになった(入札に関しては前回プロパガンダご参照)。長期金利上昇を抑えようと日銀がさらに国債購入を増やせば(=日銀券を乱発する)さすが、そんな円を誰も信用しなくなるだろう。円安が止まらなくなる。長期金利上昇は、通常円高要因だが、このケースの場合は「財政破綻危機、円紙幣の希少価値減少」であるから円暴落要因となる。

シナリオ1 円を保有したい人が減り、その裏側のJGB保有希望が減り(長期金利上昇)、財政破綻回避で日銀がJBGを買う。
シナリオ2 JBGを保有したい人が減り(長期金利上昇)、日銀がJBGを買ってマネタリーベースを持続的に増やす結果、円安&インフ昂進。

黒田総裁は「梯子を外された」と思って憮然とした顔になってしまったのではないか?と私は想像するが、考え過ぎか?

梯子を外したのでは。きっと「ハイパーインフレは日銀の失敗」と言うのでは。

1日中、朝日新聞出版から出す本の原稿書き

楽しみにしています。