サンデー時評

http://mainichi.jp/sunday/articles/20161227/org/00m/200/002000d
読み応えあります。

「トランプ当選は予想外だったが、それ以降のマーケットの動きは予想通りだった。ドル高円安と長期金利の急騰だ。株価は市場高値を連日更新、金利は5カ月で1・2%以上、2・6%近辺にまで上がった。いろんな後講釈があるが、本来あるべきファンダメンタルズ(基礎的経済状況)に沿った動きだと思う。米国経済は実は悪くないからだ。
 株価・不動産が堅調だし、完全雇用に近く、名目成長率の方が潜在成長率より高い。選挙中は投資家の不安はあったが、霧が晴れた形だ。「ヒラリー大統領」でも同じだったであろうが、トランプ氏になり、より強い傾向が出た。共和党だと言うこと、そして彼が財政出動(インフラ投資、減税)を匂わしていることだ」

景気過熱を防ぐには強いドル。

「もう一つの新しい動きは、ECB(欧州中央銀行)だ。異次元量的緩和政策を軌道修正、緩和期間は延期して総枠を大きくしたものの、毎月の債券購入額を減らす挙に出た。ドラギ総裁は否定しているが、これは一種のテーパリング(資産購入プログラムの縮小)だとマーケットは受け止めた。ECBの出口に向かった一歩であることは間違いない。FRB米連邦準備制度理事会)もテーパリングを完了したうえで年末に政策金利を0・25%引き上げた。それに比べて日本の異次元緩和は全く出口がない。一人日銀だけが世界の大勢に逆行している」

欧州も金融緩和の終わりへ。
そして、円安で日本のデフレも終わるが

(量的拡大を)継続すれば日本経済はすぐ破綻とはならないが、ジワジワと追い込まれていく。マーケットには事実上の財政ファイナンスであることが見破られてしまう。日銀の信認が失われ、トリプル安、完全な日本売り体制となろう。インフレが加速、石油が買えなくなる」

政府と日銀が対立し総裁辞任後、日本経済はジワジワと。
マーケットは織り込んで先行するのでしょうね。