文芸春秋 7月号

藤巻さんを題材(教材)にして経済を勉強しています。あわよくば一儲け。

文芸春秋ふうの上品な体裁を整えたプロパガンダで、付録は本文の中にちりばめられている、と感じました。

藤巻さんの長期の経済見通とご自身の長期的視野の個人資産運用方針が載っているところが重要です。

藤巻さんのポートフォリオ文芸春秋を参照願いますが、藤巻さんの基本的な見通しは
(1) 長期的には国はインフレ政策を取らざるを得ない
(2) 資産インフレは間もなく始まるかもしれない
(3) あと数年で長期金利は今の住宅ローン金利がギフトと思える程度に上がる
(4) 日銀は国債を買わざるを得ない、持続的にマネタリーベース増 → マネーサプライ増
(5) ワーストケースシナリオは財政破綻→Printing Money→ハイパーなインフレ、もひょっとしたらあるかもしれない
と私には読めます。

「人々が将来のインフレを懸念し合理的な対策を取れば流動性の罠から脱出できる」、かもしれない。


国の巨額な財政赤字: インフレ以外に解消不可能、ならば国と同じ(インフレ期待型)ポートフォリオを持てばよい。
固定金利で借金して不動産を買う: 企業部門が負債を減らし続けていてはマネーサプライは増えづらい。家計部門が住宅ローンを使うことでマネーサプライが増えるかも。増加したマネーサプライは資産市場に流れこみ資産インフレへ。

ドルを持つ:マネーサプライと為替と流動性の罠実体経済は相互に関係している。経済が流動性の罠から脱して回転し始める時には為替に変化が現れそうであり、文芸春秋の読者層が「為替が変化すると痛みを感じる程度」の金額の円を売りドルを買えばけっこう円安圧力になり実体経済に好影響を与えるかも。

2年ぐらい前の藤巻さんは「財務省は数十兆円の為替介入をせよ」、これは為替レートとマネタリーベースの拡大を通じで流動性の罠脱出につなぐという意味があったと思いますが、今回の文芸春秋では流動性の罠脱出は既定路線のように感じました。文芸春秋の読者を考慮した結果か、藤巻さんの意識はすでにポスト流動性の罠のフェーズなのか?

今回の長期を視野としたポートフォリオには日本株は無く米株、なんと流動性確保も米ドルMMFです。

なぜか?私なりに考えると...

  • 文章の論理展開をすっきりさせるため (政府と同じポートフォリオ、政府は株を持っていない)
  • 為替のプロパガンダの都合 (読者に関心をもってもらいたい)
  • 株価と為替のダブルで儲けることを狙う あるいは 円が相当大きく下がると見ている
  • 米国の方が生産性が高いのでそれが株価に反映されより上昇する、という見通し
  • 日本の当局が政策を間違え続け、悪い金利上昇が起きるリスク
  • あるいは、当局が政策を間違えなくても、株価に影響するぐらいの長期金利上昇(インフレ)がおきると見ている

毎年35兆円〜40兆円の財政赤字がずーっと続くとしたらどうなるか?。マクロ経済学の教科書を読み返してみようと思います