8月17日 モーニングサテライトの藤巻さん

テーマは選挙と長期金利

最近の長期金利上昇は「良い金利上昇」と考えている。選挙結果によっては「悪い金利上昇」もありえる

10年前にタイガーファンドのジュリアン・ロバートソンが来て議論したことがある。彼は郵政システムのせいで財政破綻になると考え日本に悲観的だった。 10年間で財政赤字は2倍になったので彼は正しかった。彼の見解が外国人の典型。小泉自民党が負けると長期金利国債は売られるかもしれない。

いま累積財政赤字は780兆円。税収44兆円で82兆円の支出。毎年40兆円の赤字。金利が上昇すると利払いが財政を大きく圧迫する。景気が良くなっても税収増が金利増に追いつかなくなる。

財政破綻懸念が景気悪化と長期金利上昇を引き起こす。景気が良くなれば打つ手は沢山あり、はやく郵政を民営化し財政赤字を解消していく必要がある。

(ここからは私のたわごと)

さて、郵政民営化財政赤字解消はどうつながるのでしょう ???
1) 郵貯・生保の規模が縮小すれば、国債・財投債等の購入が減り政府はムダな支出をやりにくくなる
2) 郵貯・生保に行っていたお金が銀行貸出にまわればマネーサプライが増え、景気が良くなる、円安になる
3) 郵貯・生保に行っていたお金が株式市場にまわれば株価が上がり、資産効果で景気が良くなる
4) 郵政民営化ができれば小さな政府を目指す政治的勢いがつきムダな財政支出を絞る勢いがつく
5) 郵政民営化ができれば自由主義的経済思想の勢いがつき長期的にサプライサイド(生産性)が改善される
いま思いつくのはこんなところです。

藤巻さんの長期戦略の理論的背景?

四半期あるいは年度ごとに結果を出さねばならないプロとしての戦略・戦術は別として(つまり書いたり話したりはしない)、藤巻さんが(年度を気にしなくてもよい)個人投資家向けにアドバイスする長期戦略の理論は実はかなりシンプルではないか、とマクロ経済学の教科書を読み返していて思うようになりました。

かつて藤巻さんは「日銀の外国債購入」や「財務省の超大規模為替介入」を唱え、実際財務省があの超大規模介入を行った後は景気回復に楽観的・強気に転じたように私には思えます。思うに、為替介入でマネタリーベースが大きく増えたからには、早かれ遅かれ合理的期待仮説の「期待」の修正でマネーサプライが増え、リスク資産価格が上がり始めれば早かれ遅かれ期待の修正で流動性の罠(これはデフレ「期待」に依存する)から脱出できる。問題は期待の修正がいつ起きるか読みにくいことだが、余裕資金を使える個人投資家ならば期待の修正で行き着くところに網を張ってじーっと待っていればそのうち大漁になる。...こんな戦略じゃないのかなあーと思うようになりました。注意: これは私の完全な誤解!かも知れません。

最新のプロパガンダによれば、秋に新刊が出るそうです。藤巻さんの著作にはさりげないヒントがあるので大いに楽しみです。次のテーマは何でしょう。デフレからの脱出はテーマとして終わった(?)ので、次は財政危機時代の歩き方?