9月29日 モーニングサテライトの藤巻さん

テーマは経済学を使った長期金利と為替の予測 (長期金利上昇、資産価格上昇、円安のロジック)
マクロ経済学に出てくる恒等式
経常黒字 = 貯蓄 - 投資
の右辺の+,-を部門(政府、企業、家計)別に見ると

政府 企業 家計 経常収支
過去  ほぼ0 -   ++ 大幅な黒字
現在 - +   ほぼ0 黒字   企業の借金返済分が政府の借金へ
未来 - -   ほぼ0 赤字 海外が政府と企業に資金供給へ

今は政府の大赤字を企業部門の貯蓄(負債減)と家計部門の黒字(かつてに比べれば大幅に減少した)でまかない、合計するとちょっとプラスなので経常収支は黒字となってる。

景気が回復してくると、企業は強気になり借金をして設備投資するようになりマイナスとなる。一方政府の毎年の赤字が急にゼロになるとは思えないし、高齢化ゆえ家計部門の貯蓄率が上昇するとは考えづらい。こう考えれば経常収支は赤字と予測できる。

経常収支が赤字の経済になるため?には何が起きなければならないか?

経常赤字ということは、モノやサービスの赤字相当額を、資産の売却で賄うか負債の増加(証券という資産の売却)で賄うことである。日本企業が海外に持っている工場等の資産を売るとは思えないので、外国人が買うのは国内の円ベースの資産であろう。外国人が円ベースの資産を買うためには、

① リターンがリスクに見合うほど大きい
② 為替で損をしないと思える水準まで既に円が安くなっている

必要がある。
①ゆえに長期金利は上昇するハズで、経常赤字をマーケットが視野に入れれば②の水準を満たすまで円安になるだろう。

本村さん (財政収支も経常収支も赤で)悲惨な気がしますが...
藤巻さん 景気が良いから経常赤字になる。資産価格も上昇し円も安くなる景気にプラス。相変わらず日本経済に強気。

日本人の労働と資産の相対価値が変化し資産価値はグローバルな裁定が働き、要するにグローバルに見れば日本の人件費が為替を通じて割安になることで仕事が来る、と理解しました。

マクロ経済学の教科書を丁寧に読んだ成果で、最近は藤巻さんの経済学的な思考ロジックがいくらか分かったような気分(GDPと貯蓄と投資の関係はマクロ投資のコアロジックのひとつに違い無いとか)にひたれるのでうれしいですね。