経済学の教科書

藤巻さんはちゃんと基礎を勉強しろとおっしゃる。

私の場合さんざん回り道をして自分にフィットする教科書を探しましたが、今愛用しているのは下記です。

マンキュー経済学(1)ミクロ編 by グレゴリー・マンキュー 東洋経済新報社 ASIN:4492313524
コメント 私が買ったのは一つ前の版。まったくの素人で経済学へのアプローチを独学で模索しているときに、経済学の目的・経済学で使う数式を使う意味から説明するこの本のおかげで勉強の方法論がすっきりして助かった。

入門ミクロ経済学 by ハル・ヴァリアン 勁草書房 ASIN:4326950927
日本語タイトルは「入門」ですが、英語タイトルは"Intermediate"なので入門の上あたり向きですね。 上記マンキューの教科書よりも数式が多く経済現象の関連のイメージを式を使って把握したいときに重宝しています。

マクロ経済学(上)(下) by オリビエ・ブランシャール 東洋経済新報社 ASIN:4492312609 ASIN:4492312617
評判の良いマンキューのマクロの教科書よりも式とグラフがちょっと多いという理由でこちらを買って勉強しました。 藤巻さんのロジックをフォローするためにはマクロ経済学の基礎は必須です。 マネーの量とインフレ・デフレの関係やハイパーインフレの理論がわかります。

クルーグマン国際経済学 by クルーグマン & オブスフェルド エコノミスト社 ASIN:4873150094
為替の経済への影響を理解したくここまで来てしまった。 自由貿易は長期的には両国の経済全体にプラスにはるはずですが為替レートで比較優位となるセクターが変わり産業の転換(人の移動と資本の取替え)には時間がかかる。 このあたりが最近の藤巻さんの「モノ作りの製造業で生き延びたいならば大幅な円安を目指すべき、そうじゃないならば産業構造を転換し製造業の比率を引き下げざるをえない」という主張のベースとなる部分と思います。 このあたりを理解するためにはミクロ経済学の基礎がいりました。

ちまたでは「経済学は役に立たない」という主張が多いようにも思えますが、今日ではしっかりとした基盤の上に組み立てられているので大いに役に立つ、と感じます。 モデル化のセンスと限界をわきまえることが重要という点で工学の世界に相通ずるものがあります。 日々の経済現象は森羅万象(人々の思惑や欲望と恐怖)を織り込んだ結果なのでランダムウォークするかも知れませんが、長期的に作用し続ける力とか行き着く先の予想に役立ちそうです。 自然科学では平衡(バランスがとれた状態)を分析の足場としますが、経済学も同様に均衡が分析の足場になるようです。 システムが均衡からずれた場合、システムは再び均衡に戻ろうとし色々なセクターに色々な力がかかりますが、均衡に戻る速度は均一ではない(投機家のいる市場では速く、実経済では遅く、さらに下方硬直性があったりする)。 ここがポイントなんでしょう。 つぎのようなことを意識することが重要なんだろうと思う今日この頃です。

  • 今、均衡状態か、外れているか、今後はどうか
  • 均衡状態でないならば、どちら方向にどのくらいはずれているか
  • 均衡状態でないならば、各セクターにどういう力が作用し、不均衡是正速度はどのくらいか

これら教科書を理解するのに必要な知識は高校の数学Ⅰと物理Ⅰと化学Ⅰでした。 藤巻さんの「高校まではちゃんと基礎の勉強をしろ」は正にそのとおり。 昔ちゃんと勉強してよかった。 もっとも当時はそれなりに辛かったけどね。

マンキュー経済学〈1〉ミクロ編

マンキュー経済学〈1〉ミクロ編

入門ミクロ経済学

入門ミクロ経済学

ブランシャール マクロ経済学〈上〉

ブランシャール マクロ経済学〈上〉

ブランシャール マクロ経済学〈下〉

ブランシャール マクロ経済学〈下〉

クルーグマン国際経済学 (経済学大系シリーズ)

クルーグマン国際経済学 (経済学大系シリーズ)