ファイナンスの教科書

ファイナンスの基礎を知ることは、経済の動きでリスク資産の価格の方向を理解することにつながります。

正味現在価値 Net Present Value 略してNPV という考え方

  • NPV = ΣCF(t) / (1+r)^t
  • CF(t) t年後のキャッシフロー
  • r = 国債金利 + リスク

は、未来を現在にたぐり寄せる悪魔の様な式と感じたものです。

債券の場合、CF(t)はクーポンの支払いと最後の元本の支払いのキャッシュフローで、CF(t)は固定です。一方、金利 t は変動し、金利が上昇すると債券の現在価値(市場価格)は下がる。 藤巻さんがかつて日本国債をしこたま買いこんだと言うのは、景気が悪くなり金利が下がると予想した、ということですね。

株式の場合は、マーケットが予測する未来のCF(t)と金利 r の両方で株値が上下するので厄介です。

この式を知っていると、金融じゃない仕事でも、その仕事の価値が大きいか小さいかが判断でき便利です。一方、上司や同僚がやっていることのマヌケさが見えて困ることもあります。

これを読んで世界の見え方が変わった、というほど私にはインパクトが大きかった。工学部でこういう本を必修にすれば、日本の製造業もグーっと強くなると思うのだが....。 いや、上の世代がこことは全然違う世界にいるからダメか....。

英語版は第7版と進んでいて、つい英語版を買ってしまいました。しかし、なかなか読み進みません。英語に疲れて本屋で日本語版を立ち読みしたり...。

企業の価値って何?と興味を持ち、ここまで来てしまった。モデルを作り数式を作り計算する、このスタンスがすがすがしい(?)。ただし仮定の数字をちょっと変えると結果が大きく変わるケースもあり株価Valuationよりも自分の仕事の価値評価に利用しています。例えば、これどう努力しても見込み悪そうなので手を抜こう、とか。


現代ファイナンス論 改訂版 ― 意思決定のための理論と実践

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