2月26日日経朝刊 日銀総裁講演より

新聞の要約を更に要約すると

「家計は労働力を提供すとともに資金の出し手でもある。家計の金融資産のより有効な活用への期待が高まっている」 家計が抱える約1500兆円の金融資産が投資にまわって経済を活性化すれば「経済成長率が高まることも十分ありうる」 「日本経済が再生を果たした現在、将来に夢を持ち、前に進める機会は着実に増加している」 「人生にはつきものであるリスクを認識し、それにうまく対処しながら生活を経営していくことが要求される」 「家計金融資産にはリスクマネーとして活性化されうる潜在的な力がかなり眠っている」

藤巻さんに洗脳されたせいか、....... 日銀総裁が、「利上げが遅れちゃったから、インフレ来ちゃうかも、かだらリスク資産でヘッジしてね」 とアドバイスしているように読めます。

日銀総裁

  • 超超低金利を長期間続けると資産価格バブルが生じることや、
  • 従来の2倍以上のベースマネーがいずれ何かのきっかけでCPIのインフレを起すこと

を当然承知しているでしょう。
日銀総裁の立場として、「バブルになるぞ」とか「インフレがくるぞ」とは言いづらい。市場が早合点して混乱しかねない。

家計部門の金融資産の15%が株式や投資信託のインフレヘッジできる資産で、残り大半は預貯金や保険といったインフレに弱い金融商品のはず。大都市に不動産を有していれば資産価格バブルの追い風でインフレをヘッジできるが、そうじゃない家計はインフレにやられてしまう。株式や不動産には非居住者(外国人)の資金入っているゆえ値上がり益は彼らが持っていき、値上がりを享受し損ねた家計部門は、更に、インフレと相前後して生じるであろう円安でグローバルにみて資産貧乏になってしまう。だから株式等のリスク資産を買っておきなさい。日銀総裁はこうおっしゃっているように聞こえます。

家計部門の金融資産ポートフォリオを預貯金(銀行や郵貯のB/Sの反対側に国債がある)から株式に移せば自然と長期金利は上昇する。長期金利が上昇すればビジネスは回転速度を上げねばならないので実体経済に加速要因となる。日銀総裁は、延々と続く超超低金利で資産価格バブルを起すよりも、家計部門のポートフォリオがリスクテイクして長期金利の上昇を伴いながら実体経済を回転させていったほうがよっぽどいいぞ(その過程で日銀は短期金利を引き上げていくからね)、こんなことを言いたいのでは?

以上、洗脳された頭に浮かぶ幻でした。