マクロ

深尾光洋の金融経済を読み解く 12月24日 アベノミクスの中間評価:デフレ脱却

http://www.jcer.or.jp/column/fukao/index576.html 日銀の量的・質的金融緩和に伴う財政コストには、日銀の損失計上と政府債務利子率の上昇の2つの側面がある。 さらっと書いてあるが この財政コストは、本来であれば民間金融機関などが保有するはずの中長…

中央銀行のリスク負担能力

http://www.jcer.or.jp/column/fukao/index490.html 深尾光洋 慶応大教授によれば 実質的なゼロ金利政策を解除して、金利を引き上げるためには、次のいずれかが必要になる。 (1)大量の売りオペにより、日銀当座預金を必要準備額の8兆円弱まで押し下げて、…

矢口新さんも「円は安くできる」説

http://ameblo.jp/dealersweb-inc/ 「ユーロ周辺国と日本の選択肢」 この連載の元原稿を書き上げたのは2010年後半だが、ここで取り上げた事柄は正に今進行中で、ユーロ周辺国の債務問題も、アメリカの住宅市況も、円高も、日本の苦境も、ここに書かれた通り…

日経経済教室2/14,2/15

2月14日は植田和男東大教授 もちろん、日本でも日銀がデフレ克服のために外債を購入するといった非常手段は残されている。 ただ、本気でそれを実施するのであれば、米国などから露骨な円安誘導策だとして、主要7カ国(G7)にはふさわしくない国だとの批判を…

日銀の外債購入の可能性

Bloombergのこの記事 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LYMY7N07SXKX01.html 日銀が直接外債を購入して金融緩和すれば為替市場に働きかけて為替レート経由でデフレから脱出できるのに、と長年思っていたのだが、日銀は検討したが財務省が反対したとのこ…

9月1日日経朝刊より

岩田一政氏 「日本は1990年代半ばから、景気循環にかかわらず1〜2%の物価下落が続く『デフレ均衡』にある。資本や労働の正常な稼動の障害にもなっている。 一因は行き過ぎた円高にある。 政府の円売り介入政策と、それをサポートする金融政策という組み合わ…

日経朝刊 経済教室 6/20 R・クーパー教授, 浜田宏一教授

ほぼ、一週間前のもの。以下はメモ。 日本経済は15年越しのデフレと円高に直面してきた。その結果、欧米諸国・アジア新興国と比べ雇用と生産の落ち込みが大きい。株式相場も低迷。資産の目減りは消費意欲を削ぐだけではなく、担保価値減少を通じて企業への貸…

日経 経済教室「転機の内外金融政策」

少し前の日経朝刊の経済教室より 以下は、要約メモ。青い部分は私の感想。 植田和男教授リーマンショック後の異例な金融政策とは。米国の場合 政策金利をほぼゼロという異例な水準まで引き下げた それを「相当長い期間」ゼロに据え置くという時間軸政策を実…

2/16日経経済教室 by 伊藤元重 東大教授

政府負債が膨れ上がっているのに長期金利が以上に低い。 この異常な状況は政府の財政運営だけでなく、日本経済のあらゆる部分が関わった構造であることを理解する必要がある。 とのこと。 家計部門は過剰に金融資産を積み上げている。将来が不安なので支出を…

東洋経済臨時増刊 デフレ完全解明

週刊 東洋経済 増刊 デフレ完全解明 2011年 2/2号 [雑誌]出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2011/01/25メディア: 雑誌 クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見る最近は経済週刊誌を買わないが、識者の見解を知りたく購入。 以下は個人的に興味…

日経インタビュー記事 フィッシャー イスラエル中銀総裁

S&PのJGB格下げ --- 日本政府への警告 米国は短期的に必要なことと長期的に必要なことが違う。 足元では成長を促進し、2年以内に財政再建に動くといった信頼に足る計画が有ればいいのだが、今は政治的に困難な状況。 日本、長期金利が安定しているうちは政府…

日経朝刊1月10日 経済教室 「デフレは悪」の合意を by 松本大

骨太な主張だ。 デフレは経済をスローダウンさせ日本を相対的に貧乏にすると私は思っているが、影響力がある松本大さんが日経で主張すればそう考える人が増えるに違いない。 日本が競争力を落としてきた原因として、大きく分けて3つの原因があると思う。 第…

家計部門の負債・貯蓄

日経によれば、家計部門の負債(主に住宅ローン)が減り、貯蓄も減ったそうだ。 郵貯の残高も減少し運用難とあいまって固定費(人件費)の削減に取り組まねばならないらしい。 高齢化と若い世代の所得減少の結果とのこと。 家計部門は国債の買い手から売り手…

日経経済教室 本多佑三教授

以下はメモ。 円高の中長期的影響 企業は国内の生産を国内の生産を海外にシフトさせる。国内の雇用機会が海外の雇用機会に置き換わる。国内の雇用機会の減少は国民所得の減少につながり、半永久的に戻らない。 日本の高い失業率は閉塞感はこうした生産拠点の…

JGBに関する菅野さんの見解

JBPressにJPモルガン証券の菅野雅明さんのJGBおよび財政赤字に関する見解が引用された記事(Financial Timesの記事の翻訳)があった。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4788 菅野さんのコメント等をメモ 日本の債務残高は今年末までに国内総生産(GDP)…

9/27日経経済教室 by 渡辺努 一橋大教授 よりメモ

金利の意味 貨幣には商品の売買に伴う決済を円滑にするという機能がある。 このような貨幣の流動性サービスを得るために支払う対価が金利である。 なるほど。 マッキノン・大野の「円高原因説」 人々の根強い円高予想がデフレを発生させた。 「円高原因説」…

為替政策

思考停止の政府とbackword lookingで腰の重い日銀、そこにFRBが金融緩和を打ち出すと、円高・株安。 ますます仕事は海外に流れ、景気悪くなりそう。 日経は朝刊で為替政策を訴えていた。 前回のあの大量の円売り介入をやめるきっかけは、FRBがイールドカーブ…

昨日の続き

竹森教授によれば、バブル退治で日銀が短期金利を引き上げすぎた為、(リスク資産価格が崩壊し資産デフレになり)長期金利がすっかり下がってしまったとのこと。 また、日銀のヘンな融資制度は長短スプレッドで銀行の利益を回復させることをもくろんでいると…

長短スプレッド

今日の日経経済教室の下の「やさしい経済」(竹森慶大教授)より 金融危機が起きたときFRBはすばやく短期金利を大幅に引き下げ、イールドカーブの傾きを急にする。 銀行は短期でおカネを集め長期で貸すので長短スプレッドの拡大は銀行の収益を改善し、銀行の…

中央銀行の仕事

スイス中央銀行総裁は、「為替介入はデフレと戦うための効果的な手段であり、スイス国立銀の基本戦略は何ら変わっていないと明言。 だそうだ。 ちゃんと仕事仕事をする中央銀行を持つスイスがうらやましい。 財政破綻が起きないよう消費税を10%に増税すれば…

2〜3週間前の菅野さんの日経コラム十字路より

メモ 日本の財政赤字が長期金利上昇に結びつかない理由 民間部門の大幅な貯蓄 マイルドなデフレ 日本の投資家のホームバイアス 財政赤字が拡大する一方、巨額の民間部門の貯蓄がデフレの下で実質金利の高い銀行預金に流入。貸し出しが減少中の銀行は国債を購…

日経 経済教室 「ソブリンリスクと財政再建」(上)by 桜川昌哉 慶応大教授

興味を引いた箇所のメモ 財政が破綻したらどうなるか? 日本では国債のほとんどを金融機関が保有するので、国債の不良債権化の影響は金融機関の債権者たる国民を直撃する。 約800兆円の預金のうち約300兆円を国債で運用する銀行の損失は大きい。バランスシー…

日本国債市場の暴落に賭ける投資家たち

JGB(日本国債)の話題が急に増えてきた。 http://jp.wsj.com/Finance-Markets/node_17946# 巨額な累積財政赤字は政府が景気の悪さを何とかしようと毎年赤字予算を組み、一方国民が借金の返済や貯蓄に励んだ結果であるが、どうすればこうならずに済んだのか…

金融資産と財政赤字

政府が国債を発行し調達した資金を家計部門にばら撒き、家計部門がそれを全て預金し、その預金で銀行が国債を購入する、ゼロ金利環境時にこのサイクルを繰り返せば、政府はいくらでも資金調達でき、家計は預金残高が増え、両者ともにhappyかもしれない。 と…

金融緩和と資産価格

朝日(日曜日)、日経(火曜日)と連続して池尾和人 慶大教授のインタビュー記事・寄稿が掲載され、興味深かった。 政策金利や短期の金融市場金利がゼロ近傍にあっても、中長期の金利やリスク資産の利回りまでもがゼロに張り付いているのでなければ、中央銀…

円高は生活者の味方では?

11/27の朝日新聞be「フジマキに聞け」より 円高政策だと、輸入物価が安くなる。だから、一面においては「生活者保護政策」と言える。でも、円高政策の最大の問題は「日本人が仕事を失う」ことなんです。いわば「労働者首切り政策」だ。 為替レートは輸出産業…

10/12 日経 経済教室 より

重原久美春氏は「日銀、円高への警戒強めよ」と言う。 サブプライムショックの震源地から遠いはずの日本が、なぜかGDPが大きく落ち込んだ。輸出品目が日本と良く似たドイツは日本ほどダメージを受けていない。 その重要な要因は実行為替相場の変動による価格…

日本経済の貯蓄過剰

9月30日の日経朝刊 経済教室 (by チャールズ・ホリオカ 阪大教授) より 01年〜07年 家計貯蓄は対GDP比で大幅減少、政府貯蓄もやや減少(毎年の赤字が増加)、企業貯蓄はGDP大幅増加。 97年, 98年の金融危機で懲りた日本企業は保守的になり負債を減らした。 (…

円高のままならデフレは続く by 飯田秦之

日経8面の「デフレ懸念再び」という特集で飯田秦之さんが 日本経済の回復に必要なのは円安とインフレだ。 と主張している。 為替レートと景気の関係が広く認識されることは、とても良い事と思う。 飯田さんの政策提言は 為替介入 インフレ目標を導入し、大規…

テイラー・ルール

日本銀行は信用できるか (講談社現代新書) より 短期名目金利 = 実際のインフレ率 + α・(実際の実質GDP − 潜在的実質GDP)/潜在的実質GDP + β・(実際のインフレ率 − 目標インフレ率) + 均衡実質金利 インフレ率コントロール重視の場合は、 α>β 実質GDPの…