雑誌 Voice 4月号の藤巻さん その2

藤巻さんの文章の一番最後に、唐突に、市場の話が出てきます。

本当に効率のよいマーケットが生まれれば、「市場の暴力」はあまり起こらない。市場の暴力が起こるから資本主義はダメだという人がいるが、ロジックが逆だ。おかしな規制がたくさん残っているからこそ摩擦が発生し、市場の暴力が生まれる。

私なりに解釈すると、「おカネの流れもヒトの移動も市場原理に任せなさい、市場の見えざる手がかなりうまくやってくれて経済を成長させ豊かにしてくれる、ただし見えざる手がうまくいかないところもあるからその部分は政策で一工夫を」、ということでしょう。なんのことはない、初級の経済学の教科書に書いてあることそのものです。

人々が欲しがる「何か」を新たに創り出せる人をフロンティアに送りその人が様々なリソースを利用できるようおカネを供給できれば、「何か」が生み出され、取引され消費されることで、経済は成長し人々は豊かになる。GDPが2000兆円ぐらいになれば1000兆円の累積財政赤字なんてたいした問題じゃなくなる!(といいな)。

さて、フラットな世界*1では「仕事が国境を越えちゃう」というアービトラージが働くので、労働を売って生計を立てる私(達)には頭が痛い。だが、フロンティアでイノベーションを創り出し、イノベーションがカネをどんどん生み出せば、イノベーションを生み出す人の収入も増える。資金を提供した人にもおカネが入る。

では、(私のように)イノベーションできそうもない人はどうすればいいの?。たぶん、少し前に「はてな」等で話題になっていた議論*2が参考になるのではないか。つまり、日本で生み出す付加価値の総量が多くなれば人々の収入も多くなる。格差にびびって後ろ向きに人の足をひっぱたりたかったりすることを考えるよりも、ひとそれぞれの領域であれこれ工夫をしたほうが未来につながるみたい。

格差にナーバスになる理由は

  • 現時点で生活が辛い、あるいは、今後悪化しそうな予感がある、
  • 今はイマイチだがいずれ巻き返せるぞ、とう希望が無い

といったところでしょうか。

格差は票になるという思惑もあるかもしれませんが、才能ある人が萎縮したり国外に流出したりして経済が成長せず、実質累積財政赤字が軽くならず財政破綻し、ハイパーインフレですっかんピンになるより、才能ある人に存分に活躍してもらい大いに消費してもらうほうがよっぽどいいのでは。

とすると、私にできそうなことは何だろうか?

参議院の代わりに衆議院が解散になった総選挙で小泉前首相が大勝した際に、藤巻さんのヘッジファンド友達が藤巻さんに "Congratulations" をメッセージを寄せた件。大物ヘッジファンドの大ボス達は経済成長のエンジンの部分(リソースがどう効率よくアロケートされるか、市場がそれにどう寄与するか)をちゃんと観察し予測を立てているらしい、と理解。