米国金利上昇と新興国市場

藤巻さんは新興国市場に関し、「規模が小さな新興国市場に先進国の投資家がいっぱい投資していて、何かあったときに全員が売ろうとし、(暴落し)売るに売れない状態になる恐れがある」、とコメントし警戒的でした。
何よりも流動性を重んじる藤巻さんらしいコメント、と思っていましたが、米国金利がまだ上昇するという藤巻さんのマクロのビューからすると、藤巻さんは新興国市場に暴落が生じるかもしれないと考えているのかもしれないなー、と私は思うようになりました。

米国金利が十分に高くなると、ハイリスク(アップダウンが激しい)新興国市場にあえてリスクをとって参入しなくても米国債金利で十分と考える投資家が増え、新興国から資金が流出し、すると相場の下落を恐れる先進国投資家が更に資金を引き上げ....、更に新興国の投資家(富裕層)自身が資金を国外に逃がし始め....と、新興国市場でしばしば暴落や金融危機が起きていました。

前回の米国金利上昇期にはアジア通貨危機が、前々回は確か中南米の経済危機が生じたと記憶しています。

経験に学んだFRBがジワジワとmeasured paceで利上げしたせいか今回は金融危機は起きていません。

私は無事乗り越えた思っていましたが、米国金利が更に上昇するならば、今後何か起きるかもしれない。結果として何もおきないかも知れませんが、何か起きてもびっくりしないようこの件を気に留めておこうと思います。