プロパガンダ 2007/3/30

私なりに要約すると

キャリートレードなど存在しない。したがってキャリートレードの解消などありえない。ゆえにドル高・円安の傾向は続く。

  • BRICs諸国、並びに先進国の経済はあいからわず、強く、過剰流動性が存在している。デリバティブ商品の発展に伴い、過剰流動性の規模は昔の比ではない。
  • 日本においては、歴史的な異常低金利が長期に続いている。今後数年かけて資産インフレから、CPIインフレに移行していくのは避けられないと考える。バブルのときと同じメカニズム。

(そう考える理由は)

  • 現在の金融緩和はバブルのときよりはるかにすさまじく、長期間続いてきた。
  • バブル期の累積赤字は200兆円、現在830兆円、国こそがインフレを必要とする状況。
  • 政策金利はすでに2%から3%であってもおかしくない。日銀の利上げペースは本来あるべきスピードに比べ相当遅れたペースであり、政府・日銀に資産バブルからCPIのインフレを起こそうとする意図を感じる

インフレ → おカネの価値が下がる → 株価上昇、円安。

CPIのインフレが起きるケースは
(1) 供給不足 (昔の石油ショックのケース)
(2) 経済が過熱し、需要が強くなりすぎる、
藤巻さんの予想は後者でしょうから、資産インフレがきっかけとなりCPIのインフレを引き起こすほど経済が過熱するということでしょう。

藤巻さんはキャリートレードは存在しない主張しています。世間のいうキャリートレードとは、例えばヘッジファンドが日本の銀行から借金し円を売り外貨を購入し外貨建て資産を買うというものでしょう。キャリートレードが存在しないとすれば、ヘッジファンドは借り入れたドルでドル建て資産を買い、同時に先物スワップで円売りドル買いする。こうすると日米金利差ぶんの儲けでヘッジファンドは実質円金利で資金を調達できる、といえましょう。こう考えると、過剰流動性の元は日本の超超低金利かも!!!。

私は米金利利上げフェーズに新興国市場が崩れるかもしれないなあと思っていましたが、今回は日本の金利が影響するのかもしれません。先物スワップといったデリバティブ商品の利用で日本の超超低金利がグローバルに利用されることで過剰流動性が存在する、と理解しました。

藤巻さんの考える適正な政策金利は(CPIのインフレがほぼ0%で)2〜3%とすると。もし、CPIのインフレが2〜3%ならば政策金利は5%前後といえるかもしれません。

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