8月15日 日経夕刊 十字路より 「サブプライム問題と中央銀行の役割」

JPモルガン証券菅野雅明さんによれば、
市場の流動性不安を背景にFRBの利下げの有無に関心が集まっているが、FRBは現在2つのリスクに直面している。

  • FRBの対応が後手に回り、不安心理悪化で優良な借り手でも資金手当てできなくなり破綻すること
  • 実体経済が堅調なもとで安易に利下げを行うことで将来インフレが顕在化すること

前者の流動性リスク対する中央銀行の機敏な利下げは市場の共感を呼びやすい、後者は中長期リスクゆえわかりづらい。歴史を振り返ると中央銀行の市場に対する過度の配慮が裏目出たケースが存在する。

金融緩和が長期間続いた場合人々のリスク感覚が正常に働かなくなる例がまたひとつ歴史に追加される、と菅野さん。