日本の論点
- 作者: 文藝春秋
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内容はいつもと同じです。ぶれません。
いわれてみれば当たり前ですが、日本(に住む人々、日本経済)と日本企業とは違う という点を藤巻さんは明確にしています。
このあたり議論でぐちゃぐちゃになっていることが多いですね。
日本の上場企業の時価総額の大半が日本人が保有するならば日本と日本企業を同一視してもいいかも。 でも東証の時価総額のかなりの部分を外国人投資家が保有する。 企業の合理的行動は日本経済を豊かにすることではなく企業の利益をあげることなので、儲かる場所で活動する。 例えば製造業ならば、設備投資依存の製造プロセスならば税制が優しい場所かもしれないし、労働依存の製造プロセスならば人件費が安い場所が有利かもしれない。 日本よりも有利な国があれば、グローバル経済では製造業は国外に出て行ってしまう。 日本企業の合理的行動は日本に住む人々には有利じゃない。 せめて家計部門が株式をもっと保有していれば企業の利益を享受できるのに。
ある国の豊かさはその国の平均生産性に比例するはず。 製造業の高生産性の製造現場が国外に移動してしまうと ... 平均生産性はパッとしなくなる、つまり、豊かさもパッとしなくなってしまう。 ゆえに、日本には高生産性のサービス業が必要で、金融ビジネスはその候補ダヨ、高生産性で金を稼ぐビジネスの周辺には雇用を生むビジネスも沢山生まれるよというのが藤巻さんの主張でしょう(と私は解釈しました)。
keyword: 藤巻健史