ウェブ時代 5つの定理 → 高い理想とGoogleの創業者の2人が持つヘンな議決権

ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く! を読んで「なぜGoogleの創業者2人が議決権を支配できるような株式をもっているのか」やっとわかった。(正確にはわかったつもり、にすぎませんが)
私は「ウェブ進化論」(ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書))でやっとGoogleの意味を理解し*1、ジョージ・オーエルの「1984」(1984年 (ハヤカワ文庫 NV 8))的な世界*2が現実になりうることを思い非常に不気味に感じたものです。
当然、創業者の2人やベンチャーキャピタリストらも、とんでもないものを発明してしまったという不気味さというか恐怖を認識したのではないだろうか。独占や支配を指向する人達や情報機関が支配したら一生悔いが残ると。 そこで資本市場のルートで「邪悪」な存在に支配されぬよう特殊な議決権を創業者2人に与え、人のルートで「邪悪」に染まらぬよう社内をopenにして光をあてる工夫をした*3(もちろん、創造の生産性を引き上げる工夫とも関連している)のかもしれない。 そして議決権を持つ2人がともに邪悪に落ちたならば優秀で志が高いエンジニアたちが愛想をつかしてGoogleを去ることでGoogleが自然に衰退するように会社の遺伝子をプログラムしたのではないだろうか。
こう考えると、奥が深いなあ。

*1:それまでは余計なアダルトサイトを引っ掛けない出来の良いサーチエンジンという認識だった

*2:これを読んだのが70年代の終わりごろで当時はこんなこと(超監視社会は西側では)ゼッタイに起こりえないと思っていた。

*3:各国の情報機関はもぐりこんでいるでしょうがコードがエンジニアたちから見えるopenな状態だと仕事しづらいだろう。