ちょっと違うと思う、「モノ作りの精神は細部に宿る」

読売新聞朝刊3月30日の「本よみうり堂」というコラムに土井英司さんはこう書いておられる。

日本のモノ作りの精神は廃れたのではなく、今や違うところにあるのではないか、という気になってくる。 つまり、やる気のある若い職人や技術者は、古い考えに凝り固まった既存のビジネスには興味を示さず、別の場所に移動してしまったということだ。
では、彼らはどこにいて、その情熱の源は一板どこにあるのだろう? その答えを、梅田望夫著『ウェブ時代5つの定理』(文芸春秋)で見つけた。

そして「技術者の目」という章のシリコンバレーの技術者のスピリットに触れる、最後に

資本の論理に振り回されっぱなしの現在の日本に、モノ作りの精神を思い出させてくれる、そんな一冊だ。

と結ぶ。
うーん、なんか違うぞ。
情熱におカネの面でも報いるよう資本の論理を組み込んだからこそ情熱ある人々をいっぱい引き寄せ拡大再生産していけるのではないか、こう私は思う。
シリコンバレーの存在理由は「世界を変える」こと。「世界を良い方向へ変える」ことだ。そしてそれをやり遂げれば、経済的にも信じられないほどの成功を手にできる。 --- スティーブ・ジョブス
これゆえ人々が集まり、大成功した人のおカネが投資としてチャレンジする次の世代の活動や生活を支える。経済的なシステムとして回ることがすごく重要で、現在の日本にはここが弱点で。 「資本の論理」は持続的な「モノ作り」にとって重要だと思う。

ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!

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