21世紀型危機の構図

7月28日付けのJPモルガン ウィークリー・データ・ウォッチによれば...

世界経済はインフレ率加速景気減速に直面している。 今回の原油高の基本的背景は新興市場国の旺盛な国内需要原油価格の高騰で各国の内需とくに個人消費は大幅に減速しているが、それでも各国ではインフレ率はさらに上昇している。


最も望ましい政策は、景気が過熱している新興市場国による

  • 利上げと
  • エネルギー統制価格の撤廃と
  • 自国通貨の切り上げ

ところが、利上げはごく緩やかなペースで実質金利がマイナスだったり、補助金でエネルギーが割安だったりで、景気が強く石油需要を押し上げている。 しかし、新興国では中央銀行の独立性が不十分で政治面でも不安定のことが多く、上記政策は執られにくい。


新興国に正しい政策を強制するメカニズムは存在しない。 いずれ高インフレに見舞われ強力な利上げが必要になるだろうが、その間、インフレに敏感な先進国の中央銀行が利上げを行い、その結果、先進国の内需がより減速する可能性もある。 新興国がコスト負担を拒み、先進国が負担することで、企業の設備投資が新興国にシフトするなどの効果で先進国の潜在成長率が低下する可能性が高い


私の理解は

  • 新興国の経済は過熱気味に成長するかもしれない
  • 新興国でバブルの発生と破裂(信用恐慌)が起きるかもしれない
  • 先進国では経済的停滞でフラストレーションが高まるかもしれない
  • FRBは世界の中央銀行として利上げすべき時期だがサブプライム問題で利上げできないことが問題