「日本は財政危機」は大ウソ、という主張

雑誌 Voice 9月号にて民主党河村たかし衆議院議員

「日本は財政危機」は大ウソである。

と主張している。 その理由は、

  • 本当に財政危機なら総工費1700億円をかけるぜいたくな議員会館議員宿舎ができるわけがない、地方の役所が次々新築などできるわけがない
  • 民間の資金余剰があり、それが国債購入に回るから

だから、貯蓄過剰を正しく解消する政策を打ち出すべきだ。 それは「新しいマチ」によるバブルではい真の内需拡大を目指す、とのこと。


うーん、頭が痛い。
確かに、低金利の「今」は財政危機ではないし、経済が健全な状態になれば消費や投資が増えて(また負債の返済が減少して)貯蓄過剰は解消されるだろう。 でも、過剰貯蓄を吸収するために財政赤字を増やし続ければある時点で長期金利が上昇して利払い困難となり財政破綻に直行するから、「今」OKだからといって、「将来」の危機を防ぐ努力を批判するのは正しくないと思う。 更に、「新しいマチ」構想で内需拡大に至るロジックがわからない....。


「今」の経済と「将来」の経済のつながりがわからないのは国民として困るが、わかっているが政治的戦術としてこういう主張をするとするならば、その姿勢には賛成できないなあ。


民間が貯蓄したがっている金額に見合うほど国内に投資機会が無いならば、海外に資金が流れるような政策をとればいいし、民間が不必要に貯蓄したがる(=消費や投資をしない)原因(制度的ボトルネック)を解消するのも政治の仕事だと思う。


ハイパーインフレがメインシナリオとは思わないが、政治的要因を考えるとシナリオのひとつとして意識しなきゃいけないなあ。