日経コラム大機小機より

少し前の一直氏の"「米国衰退」の通説を疑え"は興味深かった。


次の3つが通説となりつつあるように見える。
(1)今回の国際金融危機で米国の時代は終わった
(2) 米ドルは基軸通貨としての地位を維持できない
(3) 正統派のエコノミストほど円高と見ている


これに対し一直氏は、
(1) 長期で見ると、一国の経済力はその国の人口構造と密接に関連している。 生産人口の増加が需要と供給の双方を拡大していくから。 米国は着実に人口を増やしている。
(2) 米国の経済力に変化がないとするなら、米ドルの地位も揺るがない。 巨大な国内市場が拡大し続けるのだから海外からの資金をひきつけられるはず。
(3) 円高説は経常収支の黒字基調に今後も変化が無いことを論拠にしている。 しかし経常黒字が直ちに円高に直結するわけではない。 日本の人口構造は経済全体の供給力と需要創造力を縮小させる過程に入ってきている。 日本に貯蓄された資金は世界の成長地域に還流していくはず。 中長期的には円安に動くのではないか。


人口の変化からみた議論です。欧州各国も人口変化は経済にプラスとは言い難い。