良質な投資対象の不足

今日の日経朝刊のリカルド・カバレロ MIT教授のインタビュー記事は興味深かった。
http://netplus.nikkei.co.jp/nikkei/news/world/world_4nd/wor090704_2.html


深刻な金融危機が起きた理由

良質な金融商品が世界的に乏しく、米国の一部の金融商品に投資が集中した。 (中略) 世界が求める金融商品を開発・提供できたのは事実上、米国の金融界だけだった。 (中略) アジアや中東の金融市場が発達し、魅力的な金融商品を提供していれば、これほどの危機は起きなかった。

経済成長の速度や段階が異なる国々の間で、巨額の資金の流れが発生している。新興国の産業が発展しているのに、その金融市場は貧弱だ。良質な金融資産の世界的な偏在は解消していない。

だからバブルはまたどこかで発生し破裂する。 だから、

今後も発生するであろう『小さな危機』を『グローバルな危機』に発展させない仕組みづくりを始めるべきだ。潜在的な危機に柔軟に対処できるように、資本主義を再設計して進化させることが重要だと思う

規制を導入しても、その規制をくぐり抜けようとする試みが革新的な金融商品や金融技術を生む。あらゆる規制は市場に後れをとる宿命にある

我々は深刻な危機をまず封じ込め、それから規制の弱点を解決するような枠組みをつくり上げなければならない。サブプライムローン問題そのものは小さな危機だった。それがグローバルな危機に発展するのを防げなかった。問題を小さな危機の段階にとどめるような仕組みをどうつくるかが焦点になる

資金は偏る、バブルはおきる、イノベーションは規制を越える、これらを前提としてグローバル危機に発展することを防ぐ仕組みの構築が重要とのこと。