プロパガンダ 2月2日

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2010/02/post-41.html

1月29日に新日鉄の第3四半期決算と決算予想が発表になった。2009年度の収益予想はたったの100億円だそうだ。「鉄は国家なり」の鉄鋼最大手が100億円ぽっちである。病み上がりのJPモルガンチェースの約9000億円と比べてほしい。私でさえ1ディラーとしてモルガン時代、(最初の1〜2年を除いて)どんな絶不調の年でも最低100億円は稼いでいた。100億円とはそんな数字である。こんな状態でも米国経済を日本人は心配している。よほど日本のほうが問題だ。

「1日の50億円損することは珍しくない」藤巻さんが生み出す利益はいかほどか、と思っていましたが、「絶不調の年でも100億円」とのこと。
それはともかく、日本経済(企業)はJPモルガン時代の藤巻さん一人に負けるくらい調子が悪い。

日本は「モノづくり信仰」が強いが、円高ならば、多少技術力が高くても、どんどん外国に抜かれていく。

円高で「モノづくり」なんて本当にむなしい。円高では、いずれ「モノづくり」も海外に移転してしまうだろう。すぐれた「モノづくり」には広い裾野がいるが、裾野がどんどんやせ細っている感じ。

新日鉄失地回復とばかり投資を盛んにするようであるが、それは多くが外国での生産強化である。円高のせいである。これで仕事を得るのは外国人。工員が増えて活況になるのは外国の商店街だ。この様なニュースにデリケートでない政府の政治感覚が疑われる。
円高最低賃金上げ、非正規雇用者問題、CO2問題、高い法人税、日本政府は企業に「外国に出て行け。日本人の職場を外国人に与えよ!」と言っているようなものである。

製造業という日本人向きで生産性の高い産業を海外に追い出し、日本居住者は(全体としては)じわじわと貧乏になっている。