プロパガンダ 2/13

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2011/02/post-83.html

銀行からの借金は、将来のインフレを予想する私としては、もちろん固定金利である。
しかし、問題は、固定金利で借りる場合、工事の着工時まで金利を銀行が決めてくれないことだ。
工事の着工は早くて今年の6月。まだ金利が決まるまで3カ月以上ある。
ところで私はご存じのように財政破綻が遅かれ早かれあると思っている。
財政破綻は5年後かもしれないが、ひょっとすると明日かもしれない。予算編成でもめそうな今春にはかなりの警戒スタンスを持って臨まなければならない。

私も住宅ローンの金利でですごーく気をもんだ経験がある。金利が急騰したら返済のキャッシュフローが一気に苦しくなってしまう。小口のJGB先物やオプションが切実に欲しかった。

ところで「国債はまだ大丈夫」論者の方々が、もし今の私の立場にいたら、能天気にヘッジなしに工事開始を待つのだろうか?彼らとて債券マーケットの脆弱さが怖くて、たまらずにヘッジを試みるのではなかろうか?(もっともほとんどの識者の方ははヘッジ手段を知らないであろうが)頭の中だけでマーケットや経済を考えても市場参加者のメンタリティーや悩みはわからない。資産運用にしても経済予想にしても、頭の中だけで考えて論評する人の意見を、私や世界のヘッジファンドの著名オーナー達が1顧にしないのは、そういう理由である。

自分の経験があるから民間の機関投資家の担当者の恐怖心を想像できる。出遅れると自分が損を引き受けるハメになるというプレッシャー、だから、今は金利が低くても突然(機関投資家が身を守るためにヘッジをかけることで)雪崩のように先物が売られ長期金利が急騰することはありうるのだろう...。
その際にボーとしているところ(例えば政府系?)が大きな損失を出し、金融システムに信用不安が広がり、同時に政府が利払いに窮し始め、危機が始まるのか。