プロパガンダ 3/4

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2011/03/post-85.html
従来と同じブレない藤巻さんの主張と最近の見解がコンパクトにまとめられている。

確かに今は供給懸念で原油価格が上昇しているが、その結果、世界経済が冷え込むのなら石油需要も減る。石油の需要は景気にかなり影響を受けるからだ。そうなれば石油価格は当然下がる。だからいつも私は「石油価格は世界経済の自動安定装置だ」と言っている。波乱要因ではないのである。過剰な心配は無用だ。

米国は徹底した時価会計であるがゆえに、ロスカットが早期におこなわれ、それゆえに買いも早めに入ってきて、資産価格が反転し、資産効果により、景気が好循環に入ったのだと思う。したがって私は相変わらず米国経済、米国株には極めて強気だ。

この事実を認識しないから、日本経済は技術力があるから大丈夫だ、日本の経済に問題はない、と思ってしまうのだ。日本は悪平等社会主義国家なのだから、うまくいくわけがない。昔は強かった、と言うが多分に円安のおかげだ。

資本主義国家(=市場主義国家)になれば経済原則に基づき20年間にもわたってGDPが伸びていない国、すなわち日本などへ投資などはしない。日本人が盛んに海外投資をするようになれば円安・ドル高になり今日本にあるほとんどの問題が解決する。

キャピタルフライトと心配するなかれ。一時海外に資金が逃げても、円安になれば、また日本の国力は回復し、魅力的な投資先が日本に出てくる。そうすれば資金は、また日本に戻ってくる。市場主義のいいところである。

なぜこんなに日本の国力が弱っているのに円が強いのか?という質問をよく受ける。私は「嵐の前の静けさ」だと答えている。「円を日本の実体経済に合わせたレベルに修正する」それが政治家の使命のはずだった。私はその必要性を10年以上にわたり喚起してきた。それなのに政治家は学者や実務経験のない評論家の意見ばかりを聞いて為替は動かせないものと思い込んできた。日本経済にとって一番重要な問題を無視されたのは日本の不幸だ。残念ながらもう時間切れだ。国債未達を契機にすさまじい円安が来ると私は思っている。為替も原油同様、自動調整手段なのだ。

「残念ながらもう時間切れだ。国債未達を契機にすさまじい円安が来ると私は思っている。」
「すさまじい円安」...

  • 人々が円の現金や預金を持たないようになることで流通速度が増大し、
  • 金融危機や政府財政危機で日銀がprinting moneyに追い込まれれマネタリーベースが増え、
  • 家計や企業が借り入れを増やすことでマネーサプライも増える

長いデフレの間、滞っていた箇所が回転し始めることで、あるいは、そうなるという予測で円が売られて、円は「すさましく」安くなるということか。

国内に投資機会が無いにも関わらず円で貯蓄しようとし(優しい政府のおかげで)金融資産が増えたと喜んだものの、結局、金融資産は消滅し、元の木阿弥に。 虚しいなあ。