プロパガンダ 6/22

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2011/06/post-95.html


購入。ちらっと眺めたところ、基本的な部分は不変だが従来とは何か雰囲気が違う。 週末に読む予定。

マネー避難 危険な銀行預金から撤退せよ!

マネー避難 危険な銀行預金から撤退せよ!


日経で注目した記事(2つ)についてblogでたわごとを書く前に、藤巻さんにプロパガンダで使われてしまった...。

おととい(6月19日(日))の日経新聞9面、論説副委員長の実哲也さんの書いた中外時評「『国際村』が崩壊する日」は必読である。「国の債務の相対的な規模ではギリシャよりひどく、先進国で最悪の財政状態にある。格付け機関による格下げや格下げ検討も相次ぐが、国債市場はどこ吹く風だ。(略)にもかかわらず、そのための行動をだれも起こさず、市場でも静けさが支配しているのはなぜなのか。(略)銀行の国債保有額は増え続ける一方だが、彼らが意識しているのは目の前の利益のみ。2,3年先は遠い未来で、考えても無駄と見ている印象を受けた。(略)危機は来るかもしれないがあすではあるまい。そんな弛緩した気分が渦巻いている。(略)運命共同体でもある「国債村」の住人は財政の将来が心配だからといって国債売りに走ることはまずない(略)危機が起きても「想定外」の言い訳だけはできない。」
私はこの説に、おおいに同意! なのだがもっと情勢を厳しく見ている。国債大崩れは2,3年などという先の話ではないと思っている。まず第1に1987年の時も、1998年の時も、「国債村」の住人が国債売りに走り、相場が大崩れした。

国債村の住人は運命共同体国債売りをしない」というのは誤解だと思うのだ。第2に今や国債市場は先物の方が現物債より断然に大きい。チョトでも危険の匂いがすれば、世界中の年金資金がヘッジファンド経由で怒涛のように国債市場に参入する。喜んではいけない。売りでの参入である。年金資金の目的はどこかに資金を置くことではない。年金資金を増やすことだ。増えるのであれば全額金庫に入れておいてもいい。世界中の年金資金は大方の資金を金庫に置いておき証拠金で債券売りを仕掛けてくるであろう。

あるきっかけで全員いっせいに逃げ始め・ヘッジをかけ始め、ヘッジファンドも売る。今は「きっかけ」待ち状態と認識。

昨日(6月20日(月))の日経新聞22面、浜田宏一エール大学教授とRクーパーハーバード教授の共著の経済教室も必読である。
「今、日本で一番必要なのは金融緩和である。日銀による国債の買い上げや引き受けを通じて実施すればよく、円安を導く政策である」
金融緩和が重要であるとは日本人の識者の何人もおっしゃっているが、彼らはなぜ金融緩和が必要なのかが分かっていない。私が昔から主張し続けているように金融緩和は円安を導くために必要なのだ。浜田教授とRクーパー教授は、少なくとも私の理解では、この論文でそう強調している。逆のいい方をすれば日本経済を回復させるためには金融緩和でなくてもいいのだ。どんな方法であれ円安にすればよいのである。

金融緩和は金利を下げると同時に円も安くする効果がある、と私は認識するのだが、為替への効果を論じない識者が多いのはとても不思議...。

いずれにしても円は急落である。しかし、それがワークして日本は将来、経済大回復をするとも予想している。しかし、残念ながらその回復は我々の子供の代まで待たなければならないのだ。

震災・津波原発事故による供給不足が加わったせいで、復活に至る谷は従来の想定より深く長くなったということか...。