日経朝刊 経済教室 6/20 R・クーパー教授, 浜田宏一教授

ほぼ、一週間前のもの。以下はメモ。


日本経済は15年越しのデフレと円高に直面してきた。その結果、欧米諸国・アジア新興国と比べ雇用と生産の落ち込みが大きい。株式相場も低迷。資産の目減りは消費意欲を削ぐだけではなく、担保価値減少を通じて企業への貸し出しを制約している。
日銀はインフレを恐れるあまり、デフレ、円高に伴う国民へのしわ寄せを放置している。
震災等により、需要不足のところに激しい供給ショックが襲ってきた。
今日本で一番必要なのは金融緩和である。日銀による国債の買い上げや引き受けを通じて実施すればよく、円安を導く政策でもある。
各国の通貨切り下げ競争が破綻につながるという説もあるが、変動相場制下では、各国が望ましい金融政策を行うことが世界の厚生経済にのぞましい。
日本では平時に公債累積が続いたため、現在のように本来は公債を活用すべき時に財政が自由度を失ったというのが悩ましい。日本の財政悪化は、社会保障費など歳出増加による部分が大きいが、日本経済が15年も続くデフレ、低成長に陥ったことも大きな要因。
増税は景気を悪化させ歳入の減少を招き、財政危機の解消にはつながらない。現時点では拙速な増税よりも十分な金融緩和によりデフレ、需要不足、低成長を脱することが重要。