プロパガンダ 9/22

http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2011/09/post-105.html

私は、遅かれ早かれ日銀が国債を引き受けざるを得なくなる、と思っている。それは財政破綻を意味するのだが、それを政策として実行せよ、と言っている政治家の質の低さが情けない。
今の日本ではBest & Brightest ではない人達が政策を決めている。
(ちなみに米国はBest & Brightestではなくてもそれに近い人たちが政策を担っている、と私は思っている。上院議員など各分野のトップそうだ)Best & Brightestが選ばれる仕組みにはなっていないので、しょうがないかもしれないが、駄々っ子が政治家になっては国が滅びる。

そういう政治家を選んだのは国民なのだから自業自得であって、文化大革命の頃の中国のように独裁者にメチャクチャにされるよりはマシと納得すればいいのかもしれない...。国が滅びるのは追い込み済みで、自分を慰めるモードに入っている私。

金融関係者以外、気がつかなかったかもしれないが、ギリシャ国債の利回りは1時、1年物が100%。2年物も70%を超えた。マーケットがギリシャ債務不履行を織り込んできていると言うことである。日本がいつこうなってもおかしくない、と私は思う。

あれ、2年もののほうが金利が低いのは何故だ?。 それはともかく、市場はギリシャ政府が債務を踏み倒すと判断していることは分かる。その結果は、ドイツ・フランスの金融システム危機の懸念となる。

昨日、Fedがツイストオペを決めたそうである。6年から30年までの長期債を買い、3年以下の債券を同額売り、長期金利の低下を促すことにしたそうだ。私は、これは日本が1998年からははじめた「誤った政策」を、真似しているように思える。1970年代後半の米国の金融危機の時、米国自身、正反対のことをやった。短期金利を低く抑えるとともに長期金利を上昇させ、米国金融機関が利益を生むようにして金融危機を乗り越えたのだ。これは大成功だったと言われている。今、金融危機を経て金融機関の立ち上がりが遅いことが米国経済の足を引っ張っている。金融は経済のインフラだからここをしっかりさせなくてはいけないのに、Fedは足を引っ張っていると私は思う。

藤巻さんは、金融機関が利益を出しリスクを取れるようになってこそ金融仲介機能が良く働きマネーサプライが増大し景気が回復する、という見解。一方、一般のエコノミストの見解は、長期金利を下げれば借り入れ・貸し出しが増え景気が回復する。
マネーサプライを増やすにあたってのボトルネックは次の3つぐらいか。

  • 金融機関側のバランスシート
  • 借り手 金利・資金コスト
  • 借り手 借りたい意欲

日本は円が強すぎるので借り手の借り入れ意欲喪失状態で、政府は借り入れを増やすことができたが...

本日の日経新聞3面「外国人の国債保有急増」という記事は重要だ。
理由は?極めて逃げ足の速いお金で国債市場が支えられているという点。?先物を使って将来外国人が国債を売り崩してくる可能性はかなり高いと言う点?ひょっとして外国人は、Fedのツイストオペと逆のことをしているのではないかと言う点。すなわち「長期国債先物での売り、短期の現物国債の買い」ポジションである。この場合、Fedと同じように同額の売買は行わない。裁定取引(日本市場が崩れると長期金利の方が急で短期金利は日銀が抑えるだろう)であるから国債先物)の売り1単位に対して短期国債には(例えば)7単位の買いが入る。合計金額だけでみるといかにも外国人が買い越しているように見えるが、実は外国人の弱気が極端に増えてきている証左なのかもしれない、ということである

控えめに考えても、外国人が30年のJGBを買う訳はなかろう。

Voice6月号の私の記事「円は確実に大暴落するー1?200円の円安を経てこそ、10年後に日本経済は復活できる」を読んだ台湾の元総統府国策顧問で第一商業銀行会長の元黄天麟氏から「私の主張は彼の考えに極めて近い」のでお話したいと言ってきてくださった。第一商業銀行とは台湾では大手銀行だそうだ。やはりわかっている方はわかっている。

「元総統府国策顧問」さすが台湾。